「日本国籍を取りたいけれど、『親族の概要』には海外に住んでいる家族も全員書かなければいけないの?」
「何年も連絡を取っていない親戚や、何年も前に離婚した元夫(元妻)のことも書かないと法務局にバレる?」
「親族の職業や年収、帰化への賛成・反対までどうやって調べたらいいか分からない……」
日本で長く暮らし、これから先は日本人として生きていくことを決意する「帰化申請」 。集めるべき本国書類の多さに驚く方も多いですが、いざ自分で書類を書き始めるときに、最も多くの人が「どうしよう……」と手を止めてしまうのが「親族の概要(しんぞくのがいよう)」という書類の作成です 。
「日本に住んでいる親族」と「外国に住んでいる親族」に用紙を分けて、あなたの家族の情報を細かく書き出さなければなりません 。
結論から申し上げますと、「親族の概要」に記載すべき親族の範囲は法律や法務局の指示によって厳格に決まっており、たとえ何年も連絡を取っていない疎遠な家族であっても、あるいは離婚した元配偶者であっても、原則として全員を隠さず記載する必要があります 。法務局はあなたの本国の戸籍や過去の入管データと突き合わせて確認するため、嘘をついたり隠したりすると「虚偽の申請」とみなされ、一発で不許可になるリスクがあります 。
今回は、国際業務専門の行政書士が、最新の実務資料と法務局の審査動向に基づき、「親族の概要」の正しい記入範囲と、疎遠な親族がいる場合の現実的な解決策を詳細に解説します 。
帰化申請の「親族の概要」とは?法務局が提出を求める本当の理由
まずは、なぜ法務局があなた個人の帰化審査において、わざわざ海外にいる親族や、すでに別れた元パートナーのプライベートな情報までこれほど厳しく知りたがるのか、その理由(審査の目的)を理解しましょう 。
理由①:あなたの「身元(アイデンティティ)」に嘘がないか確認するため
帰化申請の最も重要な土台は、あなたの身元が100%クリーンで本物であると証明することです 。 あなたが「親族の概要」に書いた家族の氏名、生年月日、住所は、母国から取り寄せた基本証明書、家族関係証明書、除籍謄本(韓国籍などの場合)や出生公証書(中国籍などの場合)のデータとすべて1文字ずつ照合されます 。
もし、書類に載っている兄弟の名前が動機書や親族の概要から消えていたりすると、審査官は「なぜこの兄弟を隠すのか?何か犯罪歴などの不都合な事実があるのではないか」と強い不審を抱きます 。
理由②:反社会的勢力や治安上のリスクがないかチェックするため
日本の国籍を付与するということは、日本社会の完全な一員として迎え入れるということです 。 そのため、申請人本人だけでなく、その同居家族や身近な親族のなかに、反社会的勢力の関係者、過激な政治思想を持つ者、あるいは重大な犯罪を犯した者がいないか、警察や関係機関のデータをもとにバックグラウンドチェック(背景調査)が行われます 。
理由③:日本国籍を取得することへの「家族の理解」を確認するため
法務局の面接では、「あなたが日本人になることについて、本国の両親や配偶者はどのように言っていますか?」という質問がされる場合があります 。 日本の法務局は、国籍変更という人生の大イベントによって、あなたの家族関係に深刻な亀裂が入ったり、人道的なトラブルが生じたりしないかを心配しています 。なお、実務上、両親が猛反対していたとしても、その理由だけで不許可になることはありませんが、家族の認知や意見を正直に申告することが求められます 。
どこまで書けばいい?「親族の概要」に記載すべき親族の決定的な範囲
法務局が発行する「帰化許可申請のてびき」および実務上のルールにより、記載しなければならない親族の範囲は以下のように明確に指定されています 。
1. 必ず記載しなければならない親族(一親等の血族および主要な親族)
- 配偶者(夫・妻)
現在婚姻しているパートナーはもちろん、「元配偶者(離婚した元夫・元妻)」も記載が必要です 。 - 親
実の父親、母親だけでなく、「養親(ようしん・養父母)」や「義理の両親(配偶者の父母)」も含まれます 。 - 子供
実子(じっし)だけでなく、「養子(ようし)や認知した子供」も含みます 。 - 兄弟姉妹
異母兄弟(お父さんが同じで、お母さんが違う兄弟)や、異父兄弟(お母さんが同じで、お父さんが違う兄弟)であっても、戸籍や公的書類に記載がある場合は全員書かなければなりません 。 - 内縁の配偶者・婚約者
籍を入れていなくても、事実婚状態にあるパートナーや、結婚を約束している婚約者がいる場合は、その情報も記載の対象です 。
2. 「死亡した親族」の記載ルール
よくある質問として、「私の両親や祖父母は、ずいぶん前に母国で亡くなっていますが、書く必要がありますか?」というものがあります。 結論として、上記に該当する親族(親、兄弟、子供、元配偶者など)であれば、すでに死亡している場合であっても、死亡した事実を隠さず記載しなければなりません 。 用紙の住所欄には、住所の代わりに「〇〇年〇月〇日死亡(または亡くなった)」と記載し、母国から死亡届記載事項証明書や死亡公証書を取り寄せて、事実を裏付ける必要があります 。
3. おじ・おば、いとこなどの「二親等以降」の範囲は?
原則として、おじ、おば、いとこ、姪、甥といった範囲は、基本的には記載する必要はありません 。 ただし、例外として「おじの会社で役員として働いている」「いとこと日本で同居して生活費を共にしている」など、あなたの日本での生計や在留状況に深く関わっている二親等以降の親族がいる場合は、担当官の指示により追加で記載を求められることがあります 。
疎遠で連絡が取れない親族がいる場合の、実務上の3つの挽回方法
「10年前に離婚した元夫の連絡先も現在の仕事も分からない」
「母国にいる兄弟が、昔家出してしまってどこで何をしているか消息不明」
「親族の概要には『帰化への意見(賛成・反対)』や『電話番号』を書く欄があるけれど、調べようがない」
このような深刻な状況に直面し、「親族の概要が完成しないから、私は帰化申請を諦めるしかないんだ……」とあきらめる必要はありません。法務局の手続きには、物理的・環境的に連絡が取れない親族がいる場合の「正しい救済ルール」が用意されています 。
挽回方法①:分からない項目は「不詳(ふしょう)」または「不明」と記載する
親族の住所や電話番号、勤務先、あるいは帰化への意見について、どうしても連絡が取れず調べようがない場合は、無理に嘘のデータをデタラメに書いてはいけません 。 その場合は、書類の該当欄に「不詳」または「不明」と堂々と記載してください 。 法務局の審査官も、家庭の複雑な事情(離婚後の絶縁や消息不明など)があることはよく理解しています 。嘘の住所を書いて後から入管のデータ等で矛盾が発覚するよりも、「不詳」と正直に書いておくほうが、社会的誠実さの面で遥かに高く評価されます 。
挽回方法②:なぜ連絡が取れないのかの「理由書(上申書)」を添付する
親族の概要に「不詳」という文字が多く並ぶ場合は、なぜその親族の情報が分からないのか、なぜ連絡を取ることができないのかという背景を説明した「理由書(上申書)」を自作して添付します。
記載する内容の例
元配偶者とは〇〇年前に離婚が成立して以降、一切の連絡を絶っており、現在の居所や連絡先は完全に不明です。
兄弟の〇〇とは、本国での家庭環境の不和により〇年以上絶縁状態にあり、帰化に対する意見を聴取することが物理的に不可能です。
感情的にならず、客観的な事実として論理的に書き出します。
挽回方法③:過去データ(外国人登録原票)の解析
「前の夫の名前の漢字を忘れてしまった」
「兄弟が昔、日本に留学していたらしいけれど、その時の正確な生年月日が分からない」
という場合、行政書士は出入国在留管理庁に対して「閉鎖外国人登録原票(へいさがいこくじんとうろくげんぴょう)の開示請求」という法的な手続きを行うことができます 。 あなたが過去に日本に入国した際や、親族が日本に滞在していた際に入管へ提出した古い公的データを合法的に取り寄せ、そこから親族の正確な氏名、漢字、生年月日を割り出して、法務局に受け取ってもらえる「親族の概要」を作成することが可能です 。
自分で書くと失敗する!?「親族の概要」における致命的な失敗例3選
「親族の名前くらい、自分でパソコンや手書きで簡単に書けるよ」と油断して自己申請した外国人の方が、法務局の窓口でやり直しを命じられ、申請の受付が数ヶ月以上遅れてしまう典型的な失敗パターンを解説します 。
失敗例①:日本住まいと海外住まいの親族を「1枚の紙」に混ぜてしまう
法務局の厳格なルールにより、「親族の概要」は【日本に住んでいる親族(同居・別居問わず)】の用紙と、【外国(母国など)に住んでいる親族】の用紙の2種類に完全に分けて作成しなければならないと決まっています 。 これを理解せず、1枚の用紙に「1行目は日本にいる妻、2行目は中国にいるお父さん」と混ぜて書いてしまうと、その時点で書類は一発で突き返され、すべて書き直し(清書し直し)になります 。
失敗例②:本国の「翻訳文書(和訳)」の漢字・カタカナの表記揺れ
帰化申請では、母国から取り寄せた出生証明書や戸籍関係の書類の外国語を、すべて正確に日本語に翻訳して提出します 。 このとき、翻訳者が作った和訳の中にある親族の名前のカタカナ表記(例:ネパール人の名前の「ゴパル」か「ゴパル」か、ハングルの「成訓」か「ソンクン」かなど)と、あなたが「親族の概要」に書いたカタカナ・漢字の表記が1文字でもズレている(表記揺れがある)と、審査官から「どちらが正しい名前なのか証明できない」と指摘され、書類の修正や再翻訳を命じられます 。すべての添付書類と申請書類の文字を、顕微鏡で見るように完璧に一致させる緻密な校正作業が必要です。
失敗例③:修正テープの使用による「書類全体の破棄」
手書きで多くの親族の住所や生年月日を書いていると、どうしても数字や文字を書き間違えてしまうことがあります 。 前述の通り、帰化の公的書類において修正テープ、修正液、こすると消えるボールペンの使用は一切認められません 。 もし自己申請で修正テープを使って提出しようとすると、窓口で担当官から指摘され、その場で新しい用紙にすべて最初から手書きで書き直すよう命じられてしまいます 。
複雑な親族関係や「親族の概要」の作成は、WILL行政書士事務所へお任せください
帰化申請における「親族の概要」の作成や本国書類の収集は、あなた自身のルーツや家族の歴史に向き合う、精神的にもエネルギーのいる大変な作業です 。 特に、離婚歴がある方、親族と疎遠な方、異母兄弟が多い方の場合は、書類のボリュームが跳ね上がり、どこまでをどのように書けば法務局の厳しいチェックを潜り抜けることができるか、一人で判断するのは不可能です 。
「何年も会っていない兄弟の情報を、どこまで書けば一発で受理してもらえる?」
「前の夫(妻)のデータが分からなくて書類が空欄だらけになってしまう」
「手書きでの大量の書類作成や、漢字のチェックによるストレスから解放されたい」
このような悩みや不安を抱えている方は、どうか一人で抱え込んで諦めてしまう前に、国際業務・帰化申請を専門とする当事務所(WILL行政書士事務所)にご相談ください 。
まずはお客様の本国の戸籍書類(家族関係証明書や公証書)をプロの目で厳密に翻訳・分析し、過去の入管データとの間に一切の矛盾がない、完璧な整合性を持った「親族の概要(日本・外国)」をデータで美しくタイピング作成いたします 。 もし、連絡が取れない親族や情報の不詳な項目がある場合でも、法務局の審査官(および法務省本省)が納得し、やむを得ない事情として勘案して審査を進めてくれるような、法的に精緻な「上申書・理由書」をあなたに代わって作成・編成いたします 。
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