【帰化申請】要件、必要書類から手続きの流れまでを行政書士が解説

この記事はこんな人におすすめ!

  • 帰化による日本国籍の取得を考えており、申請準備~許可されるまでの全体像を知りたい人

日本国籍の取得を目指して帰化を考えているものの、「要件が難しそう」「集める書類が多すぎて、何から始めればいいかわからない」と悩んでいませんか? 人生を左右する大きな決断だからこそ、絶対に失敗したくないと感じるのは当然のことです。

帰化許可申請は、単に書類を提出すれば必ず許可されるというものではありません。 現在の在留状況や収入、家族構成など、個々の事情に合わせて膨大な書類を正確に準備し、法務局での面接を乗り越える必要があります。

この記事では、国際業務を専門とする行政書士が、知識が全くない方でも理解できるよう、帰化許可申請の要件から手続きの具体的な流れ、そして注意点までを徹底的に詳しく解説します。 この記事を読めば、帰化への第一歩を自信を持って踏み出せるはずです。

目次

帰化許可申請とは?3つの種類を理解しよう

帰化とは、外国籍の方が日本国籍を取得するための手続きです。 日本の国籍法では、帰化は大きく以下の3種類に分けられており、それぞれで要件が異なります。

  1. 普通帰化
    一般的な就労ビザなどで日本に滞在している外国人が対象です。
  2. 簡易帰化
    日本人と結婚している方や、日本生まれの方など、日本と特別なつながりがある方が対象で、要件の一部が緩和されます。
  3. 大帰化
    日本に特別な功労がある外国人が対象ですが、実例がないため、一般的な申請では考慮しなくて問題ありません。
行政書士:中田

簡易」帰化という名前で勘違いされがちですが、簡単に日本国籍が取れるわけではありません。
実際、普通帰化と簡易帰化では、準備しなければいけない書類の量はほとんど変わりません。

帰化が許可されるための7つの要件(普通帰化の場合)

一般的な外国人が対象となる「普通帰化」では、主に以下の7つの要件をすべて満たす必要があります。

1. 居住要件(引き続き5年以上日本に住んでいること)

原則として、引き続き5年以上日本に住所を有している必要があります。 注意点として、単に5年住んでいれば良いわけではありません。就労系の在留資格(ビザ)を取得している方の場合は、実務上、そのうち3年以上は継続して就労している期間が必要とされています。

2. 能力要件(18歳以上であること)

申請者が18歳以上であり、かつ、母国の法律でも成人年齢に達している必要があります。

3. 素行要件(素行が善良であること)

日本の法律を守り、善良な市民として生活しているかが審査されます。 具体的には、犯罪歴がないことはもちろん、交通違反や事故を起こしていないか、税金(住民税など)や年金、健康保険料を適正に納付しているかどうかが厳しくチェックされます。

4. 生計要件(安定した生活が送れること)

申請者本人、または生計を共にしている配偶者や親族の収入や資産によって、日本で安定して生活していける能力があることが求められます。 実務上、世帯年収の目安として300万円程度が一つの基準とされることがありますが、扶養家族の人数などによっても判断は異なります。

5. 喪失要件(二重国籍の防止)

日本は二重国籍を認めていないため、日本国籍を取得することによって、現在持っている母国の国籍を失う(離脱できる)ことができる必要があります。

6. 思想要件(危険な思想を持っていないこと)

日本の政府を暴力で破壊することを企てたり、主張したりするような政党や団体を結成したり、加入したりしたことがないことが求められます。

7. 日本語能力要件

国籍法に明記されているわけではありませんが、実務上、日本の生活習慣に馴染んでいるかどうかの指標として、小学校低学年レベル以上の日本語能力(読み書き・会話)が要求されます。

行政書士:中田

日本語能力については、感覚的に、日本語能力試験(JLPT)でN2以上のレベルであれば通常問題になることはないと思われます。

要件が緩和される「簡易帰化」とは?

日本人と結婚している外国人の方や、日本で生まれた方などは「簡易帰化」の対象となり、居住要件などが大幅に緩和されます。

代表的なケースとして、日本人の配偶者(夫や妻)の場合、以下のいずれかを満たせば、5年間の居住要件が緩和されます。

  • 引き続き3年以上日本に住んでおり、かつ、現在も日本に住所を有していること。
  • 婚姻の日から3年を経過し、かつ、引き続き1年以上日本に住所を有していること。

帰化許可申請の具体的な手続きの流れ

帰化許可申請は、準備から結果が出るまでに長い期間を要します。 申請の受付から結果が出るまでにおおむね1年から1年半、書類の準備期間も含めると2年近くかかることも珍しくありません。

ステップ1:法務局での事前相談(予約制)

まずは、お住まいの地域を管轄する地方法務局(国籍課)へ電話し、事前相談の予約を取ります。
相談は完全予約制で、個室にてプライバシーに配慮された形で行われます。ここで現在の状況を詳しく話し、帰化の要件を満たしているかどうかの確認と、集めるべき必要書類の指示を受けます。

ステップ2:必要書類の収集と作成

法務局から指示された「必要書類一覧」をもとに、書類を集めます。

  • 本国から取り寄せる書類
    出生証明書、国籍証明書、結婚証明書など(必ず日本語の翻訳文を添付し、翻訳者の住所・氏名・翻訳日を記載する必要があります)。
  • 日本国内で集める書類
    住民票、戸籍関係書類、住民税の課税・納税証明書、運転記録証明書など。公的書類は発行から3ヶ月以内のものが求められます。
  • 自分で作成する書類
    帰化許可申請書、親族の概要、履歴書、生計の概要、〚事業主などの場合〛事業の概要など。また、「帰化の動機書」は、パソコンではなく申請者本人が自筆(手書き)で作成する必要があります。

ステップ3:法務局への申請(受付)

すべての書類が揃ったら、再度法務局へ予約を取り、申請に行きます。 書類に不備がなく、完璧に揃っていることが確認されて初めて「受理」されます。原本を提出できないパスポートなどは、この場で原本照合が行われます。

ステップ4:審査開始と面接

申請が受理されて数ヶ月経つと、法務局の担当審査官から面接に呼ばれます。 面接は審査官と1対1(場合によっては配偶者も同席)で行われ、提出した書類の内容に基づき、来日の経緯、仕事や収入、家族関係、素行などについて日本語で詳しく聞かれます。
また、法務局によっては日本語能力のテストが実施されることもあります。
審査期間中に住所や仕事、家族状況(結婚・出産など)が変わった場合や、交通違反をしてしまった場合は、速やかに担当審査官へ連絡しなければなりません。

ステップ5:結果の通知(許可・不許可)

法務局での調査が終わると、書類は法務省へ送られ、最終的に法務大臣が決裁を行います。 見事許可されると、日本の「官報」にあなたの名前が告示され、その日から日本国籍を取得したことになります。その後、法務局から本人へ直接連絡が入り、「帰化者の身分証明書」が交付されます。

ステップ6:帰化後の手続き

帰化が許可された後も、やらなければならない手続きがあります。

  1. 帰化届の提出
    帰化者の身分証明書を持って、お住まいの市区町村役場へ行き「帰化届」を提出し、日本人の戸籍を作成します。
  2. 在留カードの返納
    帰化の日から14日以内に、管轄の出入国在留管理局へ在留カード(または特別永住者証明書)を返納する必要があります。郵送での返納も可能です。

審査で失敗しないための実務上の重要ポイント

帰化申請において、特に注意すべきポイントを挙げます。

  • 税金や年金の未納・滞納は厳禁
    住民税や年金に未納があると、素行要件や生計要件で不利になります。もし未納があった場合、「後から慌てて全額支払った(追納した)」からといってすぐに要件を確実にクリアできるわけではありません。原則、期限内に適正に支払っている実績が必要です。
  • 交通違反に注意
    駐車違反などの軽微なものであっても、過去の違反歴は警察の記録からチェックされます。申請前はもちろん、申請中も安全運転を心がけてください。

まとめ:帰化申請は専門家にご相談を

帰化許可申請は、人生で一度きりの大切な手続きです。 しかし、ここまで解説した通り、個人の状況に応じた膨大な書類をミスなく集め、正確に書類を作成し、法務局と何度もやり取りをしなければなりません。途中で挫折してしまう方や、些細なミスで不許可になってしまう方も少なくありません。

「自分の場合はどんな要件になるの?」「仕事が忙しくて法務局に行く時間や書類を集める時間がない」という方は、ぜひ一度、WILL行政書士事務所にご相談ください。

国際業務に精通した専門家が、あなたの状況を丁寧にヒアリングし、帰化の可能性の診断から、複雑な書類作成、法務局との折衝までをトータルでサポートいたします。 まずは無料相談から、あなたの日本での新しい人生への一歩を一緒に踏み出しましょう。お問い合わせをお待ちしております。

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この記事を書いた人

WILL行政書士事務所 代表
石川県金沢市出身・在住の申請取次行政書士。
元技能実習生監理団体の職員で、自身も国際結婚を経験。
日本で生活する外国人の方をサポートします!

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