【2028年導入予定?】ノービザで日本に行けなくなる!?新しい電子渡航認証「JESTA」の仕組みを行政書士が徹底解説!

「今までパスポートだけで日本に遊びに来ていた外国人の友人が、今度からは事前の手続きが必要になるって本当?」

「JESTAという新しい制度が始まるとニュースで見たけれど、一体何を準備すればいいのか分からなくて不安……」

日本への旅行や出張、あるいは海外に住むご家族やご友人の呼び寄せを計画されている方にとって、入国管理のルール変更は非常に気になるところですよね。特に、「今までノービザで来られていたのに、急にビザが必要になるの?」といった不安の声を耳にします。

結論から言うと、完全にビザが必要になるわけではありませんが、日本の水際対策は今、大きな転換期を迎えています。その中心となるのが、新たに導入が決定された電子渡航認証制度「JESTA(ジェスタ)」です。

この記事では、国際業務を専門とする行政書士が、JESTAの概要や導入される背景、対象者、具体的な手続きの流れ、そして「実際にいつから始まるのか」について、専門知識がない方にも分かりやすく徹底的に解説します。この記事を読めば、新しい制度への疑問が解消され、これから必要な準備がハッキリと見えてくるはずです。

目次

JESTA(ジェスタ)とは?新しい電子渡航認証制度の基礎知識

まずは、最近話題に上るようになった「JESTA」とは一体どのような制度なのか、その基本的な仕組みから見ていきましょう。

日本版の「電子渡航認証制度」

JESTAの正式な略称は「Japan Electronic System for Travel Authorization」で、日本語では「電子渡航認証制度」と呼ばれます。これは、アメリカへ渡航する際に利用されている「ESTA(エスタ)」というシステムにならって命名されたものです。

一言で説明すると、「これまでビザ(査証)なしで日本に入国できていた国や地域の人々を対象とした、事前のオンライン審査システム」となります。

現在、日本は多くの国・地域に対して、観光や親族訪問、短期のビジネス出張などを目的とした短期間の滞在であれば、現地の日本大使館などで事前にビザを取得しなくても、パスポートだけで入国できる「査証免除(いわゆるノービザ)」の措置をとっています。 しかし、JESTAが導入されると、この査証免除対象国から来る渡航者であっても、日本行きの飛行機や船に乗る前に、インターネットを通じて自らの情報を提供し、事前の認証を受けなければならなくなるのです。

従来のビザ(査証)との違い

「事前に審査を受けるなら、普通のビザを取るのと同じではないの?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。

従来のビザ申請は、現地の日本大使館や総領事館の窓口へ直接出向いたり、多くの証明書類を準備して提出したりする必要があり、発給までに何日も、場合によっては数週間単位の時間がかかります。審査の基準も非常に厳格です。

これに対してJESTAは、あくまで「オンラインでの簡易的な事前登録とスクリーニング」を目的としています。渡航者はスマートフォンやパソコンから、氏名、職業、渡航目的、日本での宿泊場所といった基本情報を入力して申請します。システムによる自動審査を基本とするため、過去にトラブルを起こしたことがないなど、一般的な健全な渡航者であれば、比較的短時間でスムーズに認証が下りる仕組みになる予定です。

つまり、「大使館でビザを取得するほどの大きな負担はないけれど、完全に事前のチェックなしで入国させるわけではない」という、より現代的でスマートな水際対策なのです。

なぜ今JESTAが導入されるのか?その背景にある日本の課題

これまでノービザで自由に来られていた環境を変えてまで、なぜ日本政府はJESTAという新しいシステムを導入するのでしょうか。その背景には、近年のインバウンド(訪日外国人観光客)の爆発的な増加と、それに伴って深刻化している治安・出入国管理上の課題があります。

訪日外国人の急増と査証免除の現状

日本の観光地やビジネスシーンを見渡せばお分かりの通り、日本を訪れる外国人の数は年々増加し、過去最高水準を記録しています。実際に、観光などを目的とする「短期滞在」の在留資格で日本に入国する外国人のうち、なんと約8割がこの査証免除(ノービザ)の対象者となっています

多くの外国人が日本を訪れてくれることは、経済的なメリットや国際交流の観点から非常に喜ばしいことです。しかし反面、現行の「事前の審査が一切ない状態での入国」には、いくつかの大きなリスクが潜んでいました。

深刻化する不法滞在(オーバーステイ)の問題

最も大きな課題の一つが、ノービザで入国できる仕組みを悪用した不法就労や不法残留(オーバーステイ)の問題です。観光目的と偽って日本に入国した後に、そのまま長期間居座って不法に就労するケースが後を絶ちません。

日本国内にいる不法残留者のうち、かなりの割合がこの「ビザ免除国」からの短期滞在者であるというデータもあります。このように、本来は日本に入国させるべきではない「不適格な人物」が、事前のフィルターをすり抜けて日本の空港に到着してしまうことが問題視されているのです。

一度不法に入国されて国内に潜伏されてしまうと、その後に不法滞在者を見つけ出し、強制的に国外へ退去(強制送還)させるためには、多大な国家予算(労力と費用)が必要になります。そのため、日本政府は「不法滞在者ゼロプラン」という方針を掲げ、そもそも好ましくない人物を国内に入れないための「水際対策の強化」を急いでいるのです。

空港の審査待ち時間の長時間化

もう一つの大きな課題が、日本の空港の入国審査場における「大混雑」です。

新規入国者が急増したことで、入国審査官がその場で一人ひとりのパスポートを厳格にチェックし、怪しい人物がいないかを確認する作業に非常に時間がかかるようになっています。その結果、上陸審査の待ち時間が長時間化し、一般の健全な観光客やビジネスパーソンにとっても、到着早々に大きなストレスを感じる原因となっています

JESTAを導入すれば、怪しい人物や不法滞在のリスクがある人を「日本行きの飛行機に乗る前(出発国側)」の段階で、あらかじめシステムによってスクリーニング(ふるい分け)してブロックできるようになります。これにより、日本の空港に到着した時点ではすでに一定の安全確認が終わっているため、実際の入国審査を大幅にスピーディーに、円滑に進めることができるようになるのです。

JESTAの対象となるのは誰?手続きが必要な人と不要な人

JESTAが実際に導入された際、具体的に誰がこのオンライン手続きをしなければならないのでしょうか。対象となる人と、そうでない人の範囲を整理しておきましょう。

JESTAの手続きが必要になる人

基本的には、以下の条件で日本に入国しようとする外国人が対象となります

  • 査証(ビザ)が免除されている国・地域の出身者
  • 観光、保養、スポーツ、親族の訪問、ビジネスでの短期出張(業務連絡)などの目的で「短期滞在」の活動を行おうとする人
  • 国際クルーズ船(指定旅客船)に乗って入港し、観光のために日本に上陸する乗客
  • 飛行機などの乗り継ぎ(トランジット)のために、一時的に日本に入国する人の一部

現在、事前のビザ申請なしでパスポートだけで日本に数週間から数ヶ月滞在できている旅行者やビジネスパーソンは、今後一律でJESTAの事前認証が必要になると考えておけば間違いありません。

JESTAの手続きをしなくてよい人

一方で、以下のような外国人の方々は、基本的にJESTAの対象外となります。

  • すでに中長期の在留資格(就労ビザ、配偶者ビザ、留学ビザなど)を持って日本に暮らしている人
  • 永住者や特別永住者の方々
  • 査証免除対象国ではなく、事前に現地の日本大使館等で「短期滞在ビザ」の申請・取得をしてから来日する人

上記の通り、すでに日本に生活の拠点を置いている外国人の方や、正規の厳しいビザ手続きを経て来日する方に関しては、入国前の審査が別の形ですでに完了しているため、重ねてJESTAを申請する必要はありません。

導入後、日本への渡航はどう変わる?手続きの流れ

では、JESTAが実際に導入された後、外国人が日本へ渡航するための手続きのステップがどのように変わるのか、具体的な流れをシミュレーションしてみましょう。

これまでの「パスポートとお金だけを持ってそのまま日本の空港へ向かう」という流れから、「出発前に必ずオンラインで認証を受ける」という重要なワンステップが追加されます。

ステップ1:渡航前にオンラインで情報提供(認証申請)

日本への出発が決まったら、渡航者本人が事前にインターネットを通じて、専用のシステムから情報を提供します。 具体的には、パスポート情報に加えて、現在の職業、日本への渡航目的、日本での滞在先(予約したホテルの住所や、訪問する親族の住所)などを入力し、申請を行います。この手続きの際には、政令で定められた一定の手数料をオンライン等で支払うことになります

ステップ2:出入国在留管理庁による事前スクリーニング

申請されたデータをもとに、出入国在留管理庁のシステムがスクリーニング(事前審査)を行います。過去に日本でオーバーステイなどのトラブルを起こしていないか、不法滞在のリスクが高い情報と一致しないかなどがチェックされます。何の問題もなければ、速やかにJESTAの「認証」が発給されます。

ステップ3:航空会社などの運送業者によるチェックイン時の確認

ここが非常に重要なポイントです。JESTAの関連法案では、飛行機や船舶を運航する会社(航空会社など)に対して、非常に厳格な義務が課されることになっています

航空会社は、乗船券や航空券を発行する(あるいはチェックインを行う)段階で、予約者の氏名などの情報を出入国在留管理庁長官に報告しなければなりません。そして、万が一システムから「この人物は日本に入国させることが相当ではない(JESTAの認証がない、あるいは問題がある)」という通知を受けた場合、航空会社はその外国人を飛行機に乗せてはならないという「運送禁止義務」を負うことになります

つまり、JESTAの認証を事前に取得し忘れたり、認証が下りなかったりした外国人は、出発国の空港で飛行機への搭乗自体を拒否されてしまうということが起こるのです。

ステップ4:日本の空港での上陸審査(大幅な円滑化)

無事にJESTAの認証を得て日本の空港に到着した健全な外国人については、これまでの審査よりもずっとスムーズに入国できるようになります。

事前の認証を受けており、上陸の条件にしっかり適合していることがシステム上で確認できれば、今後はパスポートへの「上陸許可の証印(シールやスタンプ)」の手続きを省略することができるようになります。実務上は、最先端の「ウォークスルー型ゲート」などが活用される予定で、顔認証などのスピーディーな確認だけでゲートを通過できるようになります

これによって、これまでの「入国審査場での長蛇の列」が劇的に緩和され、旅行者は到着後すぐに日本の街へと繰り出すことができるようになるのです。

JESTAはいつから始まる?気になる施行時期

ここまで読んで、「とても大きなルールの変更だけど、具体的にいつから始まるの?」と気になっている方も多いでしょう。JESTAの導入時期については、法律上の期限と、実際の政府の目標時期の2つの側面から見る必要があります。

法律上の施行期限

入管法の改正において、JESTA(電子渡航認証制度)の創設に関する規定は、「令和11年(2029年)3月31日までの間において、政令で定める日」に施行されることと法律で定められています

これは、遅くとも令和11年の春までには完全にシステムを立ち上げて制度をスタートさせなさい、という国が定めたデッドラインです

政府の実質的な目標は「2028年度中」への前倒し!

しかし、実際の運用開始はもっと早くなる可能性が濃厚です。

日本政府(出入国在留管理庁)が発表している治安対策の基本方針「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」の中では、当初2030年頃を予定していたJESTAの導入スケジュールを大幅に前倒しし、「2028年度中」の早期導入を目指すことが明確に記されています。

システムの構築や各国の航空会社とのシステム連携、世界的な周知期間などを考慮すると準備には時間がかかりますが、計画通りに進めば、2028年(令和10年)頃には実際の運用が開始されると予想されます。

日本へ頻繁に渡航する外国人のご家族やご友人、ビジネスパートナーがいらっしゃる方は、「あと数年のうちに、日本への渡航にはこの事前申請が当たり前の世界になる」ということを、今からしっかりと頭に入れておく必要があります。

制度の変化に不安を感じたら、専門家にご相談を

JESTAの導入をはじめとして、ここ数年の日本の入国管理制度の動きは、これまでにないほどスピーディーで複雑になっています。国の安全を守りつつ、より円滑に外国人を迎え入れるための変化ではありますが、手続きを行う側からすると「知らなかった」では済まされない厳格なルールも増えています。

「自分の家族や友人を呼び寄せたいけれど、新しい手続きでトラブルにならないか心配だ」

「短期のビジネス出張で海外から取引先を呼ぶ際、これからの法改正にどう対応すればいいのか分からない」

入管手続きは、ルールの理解不足や手続きのタイミングを少し間違えただけでも、取り返しのつかない結果(渡航の延期や、空港での搭乗拒否など)を招いてしまうことがあります。だからこそ、最新の確かな情報に基づいた正しい準備が何よりも大切です。

少しでも不安や疑問を感じたら、ご自身で悩み続ける前に、まずは国際業務のプロフェッショナルである行政書士を頼ってみてください。

当事務所では、これからの新しい法制度を見据えたアドバイスはもちろん、現在のビザ取得・更新や呼び寄せに関するご相談も随時受け付けております。「まずは話だけでも聞いてみたい」「自分のケースではどうなるのか知りたい」という方も、どうぞお気軽にWILL行政書士事務所までお問い合わせください。

確かな安心をお届けし、皆様の円滑な国際交流と日本での活動を全力でお手伝いいたします。ぜひ、お気軽にご連絡ください!

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この記事を書いた人

WILL行政書士事務所 代表
石川県金沢市出身・在住の申請取次行政書士。
元技能実習生監理団体の職員で、自身も国際結婚を経験。
日本で生活する外国人の方をサポートします!

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