「就労ビザ(技人国)の申請書類を集めているけれど、内定先の会社によって提出する書類が全然違うのはなぜ?」
「私の就職先は『カテゴリー3』と言われた。大企業(カテゴリー1)に比べてビザが不許可になりやすいの?」
「ベンチャー企業や設立直後の新しい会社で就労ビザを確実に取るための対策が知りたい!」
日本の大学や専門学校を卒業して新卒で就職する方や、キャリアアップのために別の会社へ転職する外国人にとって、在留資格「技術・人文知識・国際業務(通称:就労ビザ・技人国)」の取得・更新は、日本でのプロフェッショナルとしての人生を決める最重要の手続きです。
しかし、いざ必要書類を集めようとした際、「ネットで調べた書類リストと、会社から『これだけしか出せない』と言われた書類が合わない……」と困惑している方が散見されます。
技人国ビザの審査は、あなたを雇う会社の規模や財務状態、実績に応じて、会社を『4つのカテゴリー(区分)』に分類しています。カテゴリー1・2の大企業であれば書類は数枚で済みますが、中小企業やベンチャー企業、個人事業主である『カテゴリー3・4』に該当する場合、会社の決算書や法定調書、事業内容の疎明資料など、多くの追加書類の提出が義務付けられており、審査の厳しさも増します。
今回は、国際業務専門の行政書士が、就労ビザの許可/不許可や在留期間(1年、3年、5年)を大きく左右する「会社のカテゴリー制度」の仕組みと、中小企業・スタートアップで確実にビザを勝ち取るための実践的な申請対策を詳しく解説します。
入管が会社の規模で分ける「4つのカテゴリー」の正確な定義
まず、あなたの内定先(または現在の勤務先)が、入管の基準でどのカテゴリーに属しているのかを正しく把握しましょう。カテゴリーは以下の4つに明確にランク分けされています。
カテゴリー1(上場企業など:信頼度MAX)
- 該当する会社
日本の証券取引所に上場している企業、国や地方自治体、独立行政法人、あるいは高度専門職ビザの優遇対象となっている「イノベーション創出企業」など。 - 審査の特徴
社会的信用が完璧であるため、会社の財務状態や安定性に関する審査は「免除(パス)」されます。外国人本人の学歴と職務内容に矛盾がなければ、最も簡単に、かつ高い確率で「3年」や「5年」の長期ビザが降ります。
カテゴリー2(前年分の源泉徴収税額が1,000万円以上の企業:優良企業)
- 該当する会社
上場はしていなくても、前年の「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」において、国税庁に納めた源泉徴収税額が1,000万円以上ある規模の会社(目安として、社員が数十人〜100人以上いる中堅・大企業)。 - 審査の特徴
カテゴリー1に準ずる優良企業として扱われます。提出書類は非常に少なく、審査のスピードも早いです。
カテゴリー3(前年分の源泉徴収税額が1,000万円未満の企業:一般的な中小企業)
- 該当する会社
前年の「法定調書合計表」の源泉徴収税額が1,000万円未満の会社。日本国内にある大半の中小企業や、設立から数年が経過したベンチャー企業、飲食店、ITのSES企業などがここに該当します。 - 審査の特徴
ここからが入管審査の「本当の戦い」になります。 会社自体の経営状態がまだ不安定である可能性があるため、入管は「本当にこの外国人に毎月継続して給料を払えるのか」「ペーパーカンパニーではないか」を確かめるために、会社の決算書(損益計算書や貸借対照表)の提出を義務付け、中身を厳しくチェックします。
カテゴリー4(設立1年未満の新設会社・個人事業主など:厳格審査)
- 該当する会社
立ち上げたばかりで前年の実績(法定調書合計表)がまだ存在しない新設会社、個人の経営者が営む個人事業主、あるいは源泉徴収税額が「ゼロ」の事業者など。 - 審査の特徴
入管のあらゆる就労審査のなかで最も提出書類が多く、難易度が最高峰のカテゴリーです。 過去の実績がデータとして存在しないため、未来の「事業計画書」や「オフィス実体」を紙の上で100%完璧に証明できなければ、本人がどれだけ優秀な大卒であっても不許可になります。
なぜ重要?カテゴリー3・4の会社で「就労ビザが不許可になりやすい」3つの原因
「私の内定先はカテゴリー3(または4)だから、ビザは諦めた方がいいの?」と不安になる必要はありません。日本の経済を支えているのは中小企業であり、要件を満たした状態で、正しい対策を打てば在留資格は取得できます。
しかし、自己申請や知識のない会社の人事担当者の方が手続きを行った際、以下の「中小企業特有の不許可原因」に引っかかって落とされるケースが実務上非常に多いです。
原因①:会社の「決算書が赤字(債務超過)」であること
カテゴリー3の企業は、直近の決算書を入管に提出します。この決算書が「赤字(当期純損失)」であったり、過去からの赤字が積み重なって「債務超過(資産よりも借金の方が多い状態)」になっている場合、入管の審査官は「この会社は近いうちに潰れるかもしれない。外国人を安定して雇う能力(企業の継続性・安定性)がない」と判断し、不許可とする可能性があります。
原因②:会社の「事業内容(専門職の仕事)」の実体が見えない
大企業であれば、オフィスの写真を出さなくても「そこでデスクワークをしている」ことは公然の事実として認められます。 しかし、小さな中小企業やベンチャー、個人事業主の場合、入管は「本当に海外営業やIT開発の仕事があるのか?実際には、人手不足の現場でレストランの皿洗いや、工場の荷物の梱包、店舗のレジ打ちといった『単純労働(資格外活動違反)』をさせるために、名前だけ事務職として雇ったのではないか」と強く疑います。 会社のホームページ(HP)がなかったり、事業パンフレットがペラペラの紙1枚だったりすると、「実体がない」として不許可になる可能性が高くなります。
原因③:会社側が「個人情報・財務書類」の提出を嫌がる
カテゴリー3・4の申請では、会社の「直近の決算書一式」や「法定調書合計表の控え(税務署の受付印があるもの)」の生データを提出しなければなりません。 ベンチャーの社長や中小企業のオーナーにとって、これらの書類は「会社の最高機密(お金のプライベートな情報)」です。そのため、外国人の内定者から「入管に出すから決算書をください」と言われた際、会社側が「そこまでして外国人を雇いたくない」「個人の内定者に決算書を直接渡すのはセキュリティ上できない」と拒絶してしまい、必要書類が集まらずにズルズルと時間が過ぎ、「内定が出たのに在留資格の申請ができない」「現在の在留資格の期限が切れてしまう」という悲劇が起きてしまいます。
中小・ベンチャー(カテゴリー3・4)で確実に就労ビザを勝ち取るための3つの対策
これらの高い壁を乗り越え、カテゴリー3や4の会社で一発許可を得るための、プロの行政書士が実務で行っている核心的な対策を解説します。
対策1:会社が赤字の場合は、中小企業診断士や税理士の「事業改善計画書」を添付する
「会社が赤字だからビザは無理だ」と諦めるのは早いです。入管の審査要領では、直近が赤字であっても、「今後、会社がどのようにして黒字化していくかという、論理的で確実な事業改善計画」が書面で示されれば、許可を出して良いとされています。
具体的な方法(実例)
税理士や中小企業診断士などの専門家と連携し、「今期の赤字は〇〇のための先行投資(機材購入やオフィス移転)による一時的なものであり、来期以降はすでに内定している取引先との契約(契約書の写しを添付)により、売上が〇〇%回復する見込みである」という、数字に嘘のない『企業の継続性に関する説明理由書』を作成して添付します。
対策2:会社の「オフィスの実体」と「職務の発生原因」をはっきりと可視化する
入管の審査官に「単純労働ではないか」という疑いを持たせないために、会社の情報を写真と文章で徹底的にビジュアル化(可視化)して提出します。
提出する証拠の例
会社の外観、看板、エントランス、そして外国人本人が実際に座ってパソコン業務を行う「デスクや周辺環境」の写真をA4用紙に綺麗にレイアウトして提出します(間借りオフィスや自宅兼事務所の場合は特に重要です)。 さらに、『職務内容説明書(理由書)』を別途作成し、「なぜ今、この会社にこの外国人(あなた)が必要なのか」「具体的に毎日、誰に対して、どのような専門知識を使って海外取引やマーケティングを行うのか」の業務フローを詳細に書き出し、「単純労働をさせる隙などない」ことを入管に証明します。
3. 【会社向け】行政書士の「直接回収・直接提出ルート」を活用して社長を安心させる
会社側が決算書や税金書類の提出を嫌がっている場合の、実務上最も効果的な解決策が、「行政書士による守秘義務(しゅひぎむ)を用いた第三者間ハンドリング」です。
具体的な流れ
行政書士が会社の社長や人事担当者様に直接お電話やメールをし、「行政書士法に基づき、お預かりした決算書データは外国人本人には開示せず、厳重なセキュリティのもとで行政書士が直接、封筒に封印して提出します」と説明します。 これにより、会社側は個人情報や財務情報が内定者に漏れるリスクを完全にゼロにできるため、「それならプロの行政書士さんに直接書類を渡すから、ビザの手続きをお願いしよう」と、快く協力してくれるようになるでしょう。
カテゴリー3・4の就労ビザ・転職手続きは、WILL行政書士事務所へお任せください
就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)のカテゴリー3・4における申請手続きは、単に外国人本人の学歴や日本語能力を証明するだけではクリアしたとは言えません。外国人材を雇う「会社そのものの財務能力や、事業の健全性」を、入管という国家機関に対して法律と数字のロジックで証明する、極めて難易度の高い「企業審査」の側面を持っています。
会社の書類の集め方のミス、決算書の赤字に対する説明不足、あるいは会社とのコミュニケーションのすれ違いによって、せっかく掴んだ素晴らしい内定やキャリアのチャンスが「不許可」という最悪の結果で破れてしまうのは、外国人本人にとっても、そして優秀な人材を求めている会社にとっても、あまりにも大きすぎる損失です。
「内定先の会社が小さいベンチャーだけれど、私の状況でビザは降りる?」
「会社の決算書が赤字らしいけれど、不許可にならないための『事業改善理由書』を作ってほしい」
「会社にビザの必要書類をお願いしづらいから、行政書士から直接会社へ連絡して書類を集めてほしい」
どのような小さな悩みや、会社側との手続きの不安であっても、どうぞお気軽に国際業務専門の当事務所(WILL行政書士事務所)にご相談ください。
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