【メディア掲載】『法で結ぶ未来ドットコム』にて当事務所のインタビュー記事が掲載されました

外国人従業員を採用する前に知っておくべき「日本の労働法規」と3つの重要ポイント

海外から日本へ進出するグローバル企業の皆様、あるいは日本法人として新たに外国人従業員の採用を予定している人事担当者の皆様、こんにちは。国際業務専門のWILL行政書士事務所です。

日本での事業拡大に向けて優秀な外国人材を採用することは、企業にとって大きなステップです。しかし、いざ採用手続きを進めようとした際、あるいは採用後に、次のような疑問や不安に直面することはありませんか?

「本社(海外)と同じ雇用契約書で雇っても問題ないのだろうか?」

「日本の労働法は外国人にも適用されるの?どの法律が優先されるの?」

「解雇や退職のルールが自国と違うと聞いたけれど、どう気を付ければいい?」

実は、日本の雇用関係に関わる法律(労働法規)は、海外の制度、特に欧米のそれとは大きく異なる特徴を持っています。これを理解せずに海外と同じ感覚で雇用条件を設定してしまうと、後々労働基準監督署からの指導を受けたり、従業員との間で訴訟に発展したりする深刻なリスクを抱えることになります。

そこでこの記事では、国際業務を専門とする行政書士が、外国人従業員を日本で雇用する際に企業が必ず知っておくべき「日本の労働法規の特徴」と「適用される法律のルール」について、わかりやすく解説します。

この記事をお読みいただければ、日本の特殊な雇用環境を理解し、コンプライアンスを遵守した安全な人事管理体制を築くための第一歩を踏み出せるはずです。ぜひ最後までご覧ください。

目次

日本の雇用制度における2つの大きな特徴

海外から日本に進出してくる企業がまず理解すべきなのは、日本の雇用制度の根底にある「終身雇用の伝統」と、それに伴う「強い労働者保護」という基本的な特徴です

(1) 「終身雇用」の歴史的背景

日本では古くから、学校を卒業して初めて就職した企業で定年まで勤め上げるという、いわゆる「終身雇用」が代表的なキャリアのあり方として定着してきました。近年では中途採用や転職も一般的になりつつありますが、雇用制度の根幹にはいまだこの伝統が色濃く残っています。そのため、雇用契約は「期間の定めのないもの(正社員)」として締結されるのが原則的な形態として想定されています

(2) 「個別的な労働者保護」の強さ

このような背景から、日本の労働法規は、労働者が強制的に離職を余儀なくされる場面を極力少なくするといった「個別的な労働者の保護に強く配慮した内容」となっています。 海外の企業が、本国(海外)におけるのと同じ雇用条件や解雇ルールをそのまま日本に持ち込もうとしても、日本の法規制に合致していなければ許されません。実際に、国際企業の日本法人が設定した雇用条件の効力が、日本の裁判所で争われ、無効と判断されるケースも発生しています

外国人にも適用される?「労働法」と「社会保障法」のルール

では、外国人を日本で雇用する場合、具体的にどの国の、どのような法律が適用されるのでしょうか。日本の法律は大きく「労働保護法」「労働契約法」「社会保障法規」に分けられます。

(1) 労働保護法(労働基準法・最低賃金法など)

労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法(労災)などを総称して「労働保護法」と呼びます。これらは、労働時間や休日、賃金の支払い方法といった最低限の労働条件を定める法律です。

これらの法律は「絶対的強行法規」と呼ばれ、労務を提供する場所(働く場所)が日本である限り、当事者がどの国の法律を使うか合意していたとしても、強制的に日本法が適用されます。 たとえ雇用主が外国法人であっても、また、その外国人が適法に就労しているか、不法就労であるかを問わず、日本国内で働くすべての外国人に等しく適用されます。労働基準法第3条では、国籍を理由とした労働条件の差別的取り扱いも明確に禁止されています

(2) 労働契約法(解雇や出向などのルール)

労働契約法は、解雇や配置転換、出向命令などの個別の労使トラブルに関するルールを定めた法律です。 労働契約法は絶対的強行法規ではないため、原則として労使間で「どの国の法律を準拠法にするか」を選択することができます(法の適用に関する通則法)

しかし、日本で働く外国人の場合、労働者が「日本の強行規定を適用してほしい」と意思表示をすれば、安全配慮義務や「解雇権濫用法理」といった日本の労働契約法上の重要な強行規定が適用されることになります。また、当事者間で準拠法を決めていなかった場合は、原則として「労務を提供する地」である日本法が適用されると推定されます。 したがって、海外の法律を準拠法とする契約書を結んでいたとしても、日本の厳格な解雇ルール等から完全に逃れることはできないと考えておくべきです

(3) 社会保障法規(雇用・厚生年金・健康保険など)

雇用保険、厚生年金保険、健康保険などの社会保険も、基本的には外国人労働者に適用されます。ただし、在留資格を持たない不法就労者については、常用的雇用関係とは認められないとして、実務上は厚生年金や健康保険の適用が認められない扱いとなっています

人事管理上、特に注意すべき3つの法規制

日本の労働法が適用されることを踏まえ、外国人従業員を雇用する際に特に注意すべき具体的な人事ルールを3つ紹介します。

① 雇用期間(有期労働契約)の制限

日本法においては、期間を限定した雇用契約(有期契約)は、原則として「3年」を超えない範囲でしか認められません。上限を超える期間を設定しても、法的には3年と解釈されます。 また、有期契約であっても、過去に何度も更新されているなど一定の要件を満たす場合は、企業側が安易に「期間満了」を理由に更新を拒否することはできません(雇止め法理)。さらに、有期契約の期間が通算5年を超えた場合、労働者の申し出により「期間の定めのない契約(無期労働契約)」に転換しなければならないルール(無期転換ルール)も存在します。

② 解雇の厳格な制限

日本における解雇規制は非常に厳格です。労働契約法により、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない解雇は無効」とされています(解雇権濫用法理)。 海外のように、一定のパッケージ(数ヶ月分の給与等)を支払えば自由に解雇できるという制度(レイオフ等)は日本にはありません。業績悪化による人員整理(リストラ)であっても、極めて厳しい4要件(人員削減の必要性、解雇回避の努力など)を満たさない限り、解雇は無効と判断されるリスクが高いです。 ※なお、日本法上、有効に解雇ができる場合であっても、企業は原則として30日以上前に予告するか、30日分以上の「解雇予告手当」を支払う義務があります。

③ 外国人特有の「在留資格」の確認

労働法規とは別に、外国人従業員を雇用する上で最も重要なのが「在留資格(ビザ)」の確認です。 外国人が日本で就労するためには、その業務内容に適合した在留資格(「技術・人文知識・国際業務」など)を有している必要があります。これを怠り、就労が認められていない外国人を働かせた場合、企業側も「不法就労助長罪」という重い刑事罰に問われることになります。 また、外国人を雇い入れた時や離職した時には、ハローワークに対して「外国人雇用状況の届出」を行うことも義務付けられています。

外国人雇用の法務リスクは、国際業務の専門家にお任せください

いかがでしたでしょうか。日本で外国人従業員を雇用し、事業を展開するためには、欧米等のスタンダードとは異なる「日本の労働法規の強行性」と「厳格な労働者保護(特に解雇規制)」を正しく理解し、それに基づいた人事制度を構築することが不可欠です

「本社(海外)のフォーマットで作られた雇用契約書が、日本の法律に違反していないか不安だ」

「外国人従業員に任せたい業務が、どの在留資格に該当するのか分からない」

「解雇や雇止めに関してトラブルになりそうで、どう対応すべきか悩んでいる」

このような不安や課題を抱えている外資系企業様や、これから外国人の採用を本格化させる企業の人事担当者様は、ぜひ国際業務専門のWILL行政書士事務所にご相談ください。

当事務所では、外国人材の在留資格(ビザ)取得のサポートはもちろんのこと、日本の複雑な労働関係法規を踏まえた上での安全な雇用契約のあり方や、適法な人事労務管理について、専門的な見地からアドバイスを提供しております。

在留資格(ビザ)の疑問やご不安を解消するため、まずは【初回無料相談】をご利用ください。皆様からのお問い合わせを、心よりお待ちしております!

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この記事を書いた人

WILL行政書士事務所 代表
石川県金沢市出身・在住の申請取次行政書士。
元技能実習生監理団体の職員で、自身も国際結婚を経験。
日本で生活する外国人の方をサポートします!

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