【国際結婚】韓国人男性と結婚したら日本人女性の国籍はどうなる?専門家が徹底解説

この記事はこんな人におすすめ!

  • 日本人と結婚を予定している韓国籍の方
  • 韓国籍の方と結婚を予定している日本人の方

国際結婚を控えた皆様、ご婚約おめでとうございます。愛するパートナーとの新しい生活に向けて、期待に胸を膨らませていることと思います。しかし、いざ結婚の手続きを進めようとすると、国境を越える手続きの複雑さに直面し、不安を感じる方も少なくありません。

「韓国人の彼と結婚することになったけれど、結婚したら自動的に韓国籍になってしまうの?」

「日本の国籍を失ってしまうのではないかと不安で、手続きをためらっている…」

インターネット上には古い情報や噂も飛び交っており、このような不安を抱えてしまうのは当然のことです。結論から申し上げますと、現在の法律では、韓国人男性と結婚した日本人女性が自動的に日本国籍を失うことはありませんので、ご安心ください。

この記事では、国際業務を専門とする行政書士が、韓国人男性と結婚する場合の国籍の扱いや、なぜそのような噂が存在するのか、そして実際の結婚手続きのポイントについて、法制度の歴史や最新の実務に基づいて分かりやすく解説いたします。

目次

韓国人男性と結婚し、結婚後も日本に居住する予定の日本人女性、あるいは韓国へ移住する予定の日本人女性であっても、結婚によって自動的に韓国国籍を取得し、日本国籍を失うようなことはありません。

1998年6月14日より施行されている韓国の新しい国籍法では、帰化の手続によらないと韓国国籍を得ることができなくなりました。したがって、結婚によって重国籍となってしまい日本国籍を失うことはありません。その後も数度の法改正が行われましたが、この事情は変わっていません

現在、日本国籍を保持したまま、韓国人男性の配偶者として生活することが法的に完全に認められています。日本のパスポートをそのまま使用し続けることができますし、日本人としての権利や義務が変わることもありません。

では、なぜ「韓国人と結婚すると自動的に国籍が変わる」という噂や誤解が、いまだに一部で囁かれているのでしょうか。その背景には、過去の韓国の法律が大きく関係しています。

実は、1998年よりも前の韓国の旧国籍法(3条1項)では、外国人女性が韓国人男性と婚姻をすると韓国国籍となる制度が存在し、国籍の問題が生じていました

旧国籍法における国籍の「随伴取得」

韓国の旧国籍法の3条1項によれば、韓国人男性と婚姻した外国人女性は、婚姻により自動的に韓国国籍を取得できたため、その韓国国籍を保ちたいときは6か月以内に日本国籍を離脱する必要がありました。日本は原則として二重国籍(重国籍)を認めていないため、複雑な国籍問題が生じていたのです。

法律が改正された歴史的背景

しかし、この制度は大きな転換点を迎えます。その最大の理由は、韓国経済の発展とともに韓国の国籍取得を目的とした偽装結婚が多発したことです。自動的に国籍が与えられる制度が、不法な目的で悪用されてしまったため、外国人女性が婚姻により自動的に韓国国籍を取得するとしていた制度を廃止することにしました

そこで韓国政府は法改正を行い、1997年12月13日法律5431号で改正され、1998年6月14日より施行されている韓国新国籍法へと移行しました

※もし新国籍法改正前(1998年6月14日より前)に結婚したのでしたら、重国籍となっています。重国籍者は、改正後1年以内に国籍の選択をしていないのなら韓国国籍は自動的に失い日本国籍となっています

我が国と関係が深い韓国の国籍法が大改正され、1998年6月14日より施行されている改正法の骨子は次のとおりです。国際結婚を理解する上で、背景知識として知っておくと役立ちます。

  1. 父系血統主義から、父母両系主義への転換
  2. 偽装結婚の防止と帰化への一本化
    国籍取得を目的とした偽装結婚を防止するため、韓国国民と結婚した外国人は、男女共に結婚後2年以上国内に居住するなど一定の要件を備えたうえ、帰化によることとなりました。
  3. 国籍の随伴取得条項および妻が単独で帰化することを禁止する条項の削除
  4. 重国籍者の国籍選択制度の新設
  5. 子どもの姓と戸籍に関する見直し
    父母両系主義への転換に関連して、外国人父と韓国人母との間で出生した子は、母の姓と本によることができ、母の戸籍に入籍することができることとなりました。

結婚によって自動的に国籍が変わることはありませんが、結婚後に韓国で長く生活する中で、「自らの意思で韓国国籍を取得したい」と考えるようになる方もいらっしゃるでしょう。 韓国国民と結婚した外国人は、男女ともに居住条件その他の条件を充たして帰化することにより国籍を取得することになりました(簡易帰化:韓国国籍法6条2項)

一般的な帰化よりも要件が緩和されており、以下のいずれかに該当する人が対象となります。

  1. 居住要件(その1)
    その配偶者と婚姻した状態で大韓民国に2年以上継続して住所を有する人。
  2. 居住要件(その2)
    その配偶者と婚姻した後、3年が過ぎ、かつ婚姻した状態で大韓民国に1年以上継続して住所を有する人。
  3. 特別な事情がある場合(その1)
    期間を満たしていなかったが、配偶者と婚姻した状態で大韓民国に住所を置いていたところ、その配偶者の死亡又は失踪その他自己に責任のない事由で正常な婚姻生活ができなかった人で、残余期間を満たし、法務部長官が相当と認める人。
  4. 特別な事情がある場合(その2)
    要件を満たしていなかったが、その配偶者との婚姻によって出生した未成年の子を養育しているか又は養育すべき人で、期間を満たし、法務部長官が相当と認める人。

国籍の不安が解消されたところで、実際の「結婚手続き」について見ていきましょう。

日本の方式で婚姻届を提出する(形式的要件)

結婚の手続は、法の適用に関する通則法24条3項ただし書によって婚姻当事者の一方が日本人で日本国内で婚姻するときは、日本の方式によることになっています(日本人条項)。ですから婚姻届は日本の市区町村長に提出しなくてはなりません(民法739条、戸籍法25条・74条)。これを「形式的要件」といいます。

それぞれの母国の法律を満たす必要がある(実質的要件)

実質的要件は、同条1項で婚姻当事者の本国法によるとされていますので、婚姻年齢・婚姻障害・待婚期間等について、日本女性は日本民法、韓国男性は韓国民法によります。

両国の法律が定める結婚の条件をそれぞれクリアしていることを証明するために、韓国の官公署が発行する家族関係登録簿などの各種証明書を取得し、日本語の翻訳文を添えて日本の役所に提出する必要があります。

韓国だけでなく、アジアの近隣諸国でも、時代の変化に合わせて国籍法が近代化されています。参考として、台湾の国籍法について紹介いたします。 台湾の国籍法も改正され、2016年12月21日施行されました

改正のポイントは以下の通りです。

  • 国籍法の目的の明確化
  • 世界の流れに従い父系血統主義から父母両系血統主義へ変更
  • 帰化の条件の整備
  • 帰化の効力発効日が政府公報の公告の日から内政部の許可を得た日に変更となった点

また、特殊帰化の条件として、中華民国国民の配偶者であって、家庭内暴力を受けたことによって離婚し、かつ、再婚していない者などの救済規定も設けられています。このように、アジア各国の法律は人権と個人の意思を尊重する方向へと着実に進歩しています。

いかがでしたでしょうか。韓国人男性と結婚したからといって、自動的に日本国籍を失うことはありません。かつての法律による誤解が今も残っているだけで、現在は安心してご自身の国籍を維持したまま結婚生活を送ることができます。

しかし、国籍の問題がクリアになっても、国際結婚にはまだまだ乗り越えるべきハードルがあります。

「韓国の役所から、どの証明書を取り寄せればいいの?」
「日本語への翻訳は誰がどうやって行うの?」
「結婚成立後、日本で一緒に暮らすための【配偶者ビザ(在留資格)】はどうやって申請するの?」

国際結婚の手続きや、その後のビザ(在留資格)申請は、両国の法律が絡み合うため非常に複雑で、ご自身だけで進めようとすると大きなストレスになることが少なくありません。書類の不備で何度も役所に足を運んだり、最悪の場合、ビザの審査に落ちてしまったりするリスクもあります。

国際結婚の手続きや在留資格の取得・変更について不安がある方は、ぜひ一人で悩まずに当事務所までご連絡ください。
専門家としての確かな知識と、親身で寄り添う対応で、お二人の不安を安心に変えるお手伝いをさせていただきます。

以下のお問い合わせフォームより、いつでもお気軽にご相談をお待ちしております。

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この記事を書いた人

WILL行政書士事務所 代表
石川県金沢市出身・在住の申請取次行政書士。
元技能実習生監理団体の職員で、自身も国際結婚を経験。
日本で生活する外国人の方をサポートします!

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