【メディア掲載】『法で結ぶ未来ドットコム』にて当事務所のインタビュー記事が掲載されました

海外移住や就労に必要な「無犯罪証明書」「アポスティーユ」とは?専門家が教える取得手順とよくある失敗例

日本に滞在している外国人の方、あるいは日本から海外へ赴任・移住を予定されている皆様、こんにちは。国際業務を専門とするWILL行政書士事務所です。

海外での就労ビザや移民ビザの取得、国際結婚、あるいは海外での法人設立など、国境を越えて新たな挑戦をする際、避けては通れないのが「書類の準備」です。

現地の機関から「日本の無犯罪証明書(警察証明書)を出してください」「戸籍謄本や会社の登記簿にアポスティーユをつけてください」と突然要求され、戸惑っている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、令和8年(2026年)7月現在の最新の国際情勢や行政動向を踏まえ、「無犯罪証明書」の取得方法や、国際的な文書の認証システムである「アポスティーユ」の仕組み、そして絶対にやってはいけない失敗例について、わかりやすく解説いたします。

この記事を読めば、あなたが今どの機関に行き、どのような手続きを踏むべきかが明確になるはずです。ぜひ最後までお読みいただき、スムーズな海外進出の参考にしてください。

目次

移民ビザ等で求められる「無犯罪証明書」の取得方法

アメリカやカナダなどへ永住申請(移民ビザ)を行う場合や、フランスなどで商工業活動を行うための査証(ビザ)を申請する場合などに、外国の機関から「無犯罪証明書」の提出を求められることがあります

無犯罪証明書とは?

無犯罪証明書は、警察証明書や犯罪経歴証明書とも呼ばれ、対象となる人物の犯罪経歴を明らかにする公的な文書です。犯罪の有無が、日本語、英語、フランス語、ドイツ語、またはスペイン語で記載されます。 この証明書は、日本人だけでなく、日本に居住歴のある外国人も申請することが可能です

申請先と必要な持ち物

日本国内において申請する場合、原則として「住民基本台帳(住民票)を備える市区町村を管轄する都道府県警察本部(警視庁や各道府県警察本部)」が窓口となります。お近くの警察署では申請できませんのでご注意ください。 また、申請の際には申請者本人の指紋の採取が必要になるため、代理人ではなく「必ず本人が窓口に出頭すること」が必須条件となっています

一般的に、外国人の方が申請する際に必要な書類は以下の通りです

  • 旅券(パスポート):有効期限内の原本
  • 住民票、または官公庁から発行され氏名及び住所が記載されたもの(在留カード、特別永住者証明書、自動車運転免許証など)
  • 提出先機関からの無犯罪証明書を要求する文書など、発給の必要性を確認できる書類

無犯罪証明書は、外国の提出先機関から求められるなど「発給の必要性がある一定の事由」がある場合に限り発給されます。そのため、発給の必要性を証明する書類については、提出先によって多岐にわたるため、事前に管轄の警察本部に必ず確認することが重要です。 なお、平成24年(2012年)の法改正によって外国人登録制度が廃止され、現在では一部の外国人の方にも住民票が作成されるようになったため、無犯罪証明書の申請においても住民票が活用される運用となっています

日本の書類を海外で使うための「アポスティーユ」と「公印確認」

無犯罪証明書や戸籍謄本、登記簿謄本などを海外の機関に提出する際、「日本の機関が発行した本物であること」を現地の担当者が確認できるよう、日本政府(外務省)によるお墨付きをもらう必要があります。この手続きが、外務省による「証明」です。 外務省で取り扱う証明には、大きく分けて「アポスティーユ(付箋による証明)」と「公印確認」の2種類があります

ハーグ条約(認証不要条約)による違い

どちらの手続きが必要かは、提出先の国が「外国公文書の認証を不要とする条約(ハーグ条約)」に加盟しているかどうかによって決定的に分岐します

  • 提出先がハーグ条約加盟国の場合
    日本の外務省で「アポスティーユ」という単一の証明を付与するだけで、相手国における駐日大使館・領事館の認証を受けたものと全く同等の効力を持ち、そのまま現地の機関に提出することができます。アポスティーユとは元来フランス語で「付箋」を意味し、外務省が公文書に専用の付箋を貼り付ける形で付与されます。
  • 提出先がハーグ条約非加盟国の場合
    日本の外務省で「公印確認」を受けた後、さらに日本国内にある提出先国の大使館または総領事館へ赴き、「領事認証」を取得しなければなりません(2段階の手続きが必要です)。

ただし、提出先国がハーグ条約の加盟国であっても、提出先の海外の機関が独自のルールにより、アポスティーユではなく「日本の外務省の公印確認および自国大使館での領事認証」をあえて要求してくるケースがあります。外務省で公印確認を受けた書類は、大使館等で重ねて証明することはできないため、手続きを開始する前に「アポスティーユのみで受理されるか」を最終提出先に念入りに確認することが鉄則です。

【令和8年最新動向】新規加盟国とデジタル検証の導入

令和8年(2026年)7月現在、ハーグ条約の加盟国は129か国に達しています。近年は新興国・発展途上国の加盟が相次いでおり、国際手続きのスピードが劇的に改善されています

  • 中国:2023年11月に効力が発生し、煩雑だった中国大使館での領事認証が不要となりました。
  • カナダ:2024年1月に効力が発生し、北米全域での利便性が向上しました。
  • タイ・アルジェリア:2026年7月に加盟・効力発生し、ビジネスや駐在員の手続きに好影響をもたらしています。

ベトナム加盟(2026年9月)の歴史的転換と過渡期のリスク

実務上最も甚大な影響を及ぼすのが、2026年9月11日に控えるベトナムの条約発効です。これまで、ベトナム向けの投資ライセンスや労働許可証の申請には、外務省の公印確認と在日ベトナム大使館等での領事認証が必要で、多大な労力を要していました。これが外務省のアポスティーユ付与のみで代替されるようになります。 しかし、発効直後の過渡期においては、ベトナム現地の末端の行政機関に「アポスティーユのみで受理可能である」という新ルールが周知されておらず、「大使館の領事認証がなければ受け付けない」と突き返される混乱が生じる可能性が予見されます。必ず事前に現地の機関へ確認を行う防衛的アプローチが不可欠です

デジタル革新:QRコードによる真正性確認サイトの導入

令和8年(2026年)6月1日以降、外務省が発行するアポスティーユの用紙にはQRコードおよび専用のURLが記載されるようになりました。 提出先の外国の政府機関や大学は、このQRコードをスマートフォン等で読み取り、「アポスティーユ真正性確認検索サイト(英語)」にアクセスして情報を入力することで、そのアポスティーユが日本の外務省によって正規に発行されたものであることを即座にオンラインで検証できるようになっています

最大の壁!「公文書」と「私文書」の決定的違いと「翻訳の罠」

アポスティーユを取得する上で、最も多くの方がつまずくのが、対象の文書が「公文書」か「私文書」かの区分です。外務省は原則として「公的な機関が作成した文書の公印」しか直接証明する権限を持ちません

公文書(外務省へ直接申請できるもの)

国や地方公共団体などの官公署が作成した文書です

  • 戸籍謄本(全部事項証明書)、戸籍抄本、住民票、印鑑証明書
  • 法務局が発行する登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 警察庁・各都道府県警察が発行する犯罪経歴証明書(無犯罪証明書)

なお、かつては国公立大学の証明書も公文書でしたが、国立大学法人化に伴い、現在では独立行政法人の文書となり「公文書」としては扱われないため、私文書としての手続きが必要です

私文書(そのままでは外務省へ出せないもの)

個人や民間企業、私立の機関が作成した文書です

  • 民間企業の契約書、委任状
  • 私立学校や国立大学法人が発行した卒業証明書、成績証明書
  • 医師の診断書

注意!「翻訳分のホチキスどめは厳禁」

ここで注意点があります。市役所で取得した真正な公文書(戸籍謄本など)であっても、それを海外に提出するために翻訳し、その「翻訳文」をホチキス等で添付した瞬間、書類全体が「翻訳者(民間人)が独自に作成した私文書」という扱いに変質してしまいます。 この場合、直接外務省にアポスティーユを申請することはできなくなり、次項で解説する「私文書のルート」を辿らざるを得なくなります。

私文書を証明するための「3段階プロセス」とワンストップサービス

私文書(または翻訳文を付けた文書)にアポスティーユを付与するためには、以下の3段階の法的手続きを踏んで文書を「公的化」しなければなりません

  1. 公証役場での公証人認証
    作成者(または翻訳者)が公証人の面前で「この文書は私が真正に作成(または誠実に翻訳)したものである」という宣言書に署名し、公証人の認証を受けます。
  2. 地方法務局長による公証人押印証明
    認証を行った公証人が所属する地方法務局へ出向き、その公証人の押印が真実であるという証明を受けます。
  3. 外務省でのアポスティーユ取得
    最後に外務省へ提出し、アポスティーユを取得します。

画期的な「ワンストップサービス」

上記のように複数の役所を渡り歩く負担を劇的に軽減するため、一部の地域の公証役場では「ワンストップサービス」が導入されています。令和8年現在、北海道(札幌法務局管内)、宮城県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、大阪府、福岡県の公証役場では、1度の訪問で上記3つの手続き全てを一括して完了でき、窓口でごく短時間でアポスティーユが付与された文書を受け取ることが可能です

ワンストップサービス対象外地域(石川県・広島県など)の対応

全国すべての公証役場がワンストップに対応しているわけではありません。例えば石川県や広島県の公証役場は対象外です。 石川県にお住まいの方の場合、以下のようなフローを余儀なくされます。

  • 県内の公証役場(金沢市など)で公証人の認証を受ける。
  • 金沢市新神田にある「金沢地方法務局総務課」の窓口へ持参し、公証人押印証明を発行してもらう(窓口なら約10分程度)。
  • 法務局長の証明を受けた書類を、東京の外務本省または大阪分室へ郵送してアポスティーユを申請する。

このように地域によって手間や時間が大きく異なるため、スケジュールに余裕を持った対応や、専門家への代理申請の依頼が有効な選択肢となります

外務省への申請手順と「絶対NG」な注意点

公文書、あるいは公証役場等を経た私文書を外務省に提出する際の手順と注意点です。外務省へのアポスティーユ申請手数料は無料です。申請窓口は東京の外務本省と大阪分室の2箇所のみで、原則として「郵送による申請」が強く推奨されています

申請に必要な書類

  • 証明が必要な公文書(原本)
    原則として発行日から「3ヶ月以内」の原本が厳格に求められます。コピーは直接受け付けられません。
  • 申請書
    外務省ホームページからダウンロードし記入します。提出先国ごとに個別の申請書が必要です。
  • 返送用封筒
    追跡番号がある「レターパックプラス」等の使用が推奨されます。
  • 身分証明書
    窓口申請の場合のみ提示が必須です。

郵送返却における厳格なルール

外務省の郵送交付では、「申請者本人と異なる人物宛て」や「差出人住所と異なる住所宛て」への返送は一切認められません。つまり、海外の提出先機関や海外にお住まいのご家族宛てに直接送ってもらうことは不可能です。 唯一の例外として、行政書士や弁護士などの専門家が代理申請する場合は、専門家の事務所を返送先に指定することができます。これにより、日本の専門家が外務省から受け取った後、DHL等で海外の当事者へ直接発送するというスキームが可能になります

申請が却下される!絶対NGなトラブル事例

アポスティーユの申請は厳格なため、形式的な不備は容赦なく拒否されます

  • ホチキス外し・加筆の絶対禁止
    戸籍謄本など複数枚の書類を綴じているホチキスをコピーのために一度でも外してしまうと、改ざんとみなされ受付不可になります。余白へのメモ書きも一切禁止です。
  • 「開封無効」文書を開封してしまう
    無犯罪証明書など「開封無効」と記された封筒を開けてしまうと効力を失います。未開封のまま提出してください。
  • 貴重な原本への直接付与
    卒業証書など生涯に一度しか発行されない原本に直接アポスティーユを付与すると、証書の上に強力な公印や付箋が貼られ修復不可能になります。この場合は、私文書ルートを通じて「公証人認証済みのコピー」にアポスティーユを取得する高度な実務対応が推奨されます。

海外手続きのお悩みは、国際業務の専門家にご相談ください

いかがでしたでしょうか。無犯罪証明書の取得やアポスティーユの手続きは、ただ役所に行けば簡単に終わるものではなく、「公文書か私文書か」「翻訳をつけるか」「条約加盟国か」など、極めて複雑なルールが絡み合っています。

ご自身の判断で間違った手順を踏んだり、誤ってホチキスを外したりしてしまうと、一から書類を取り直すことになり、ビザ申請の期限に間に合わなくなるというような事態を招きかねません。

「翻訳をつけたいけれど、私文書の手続きを自分でやる自信がない」

「ワンストップ対応していない地域に住んでいて、時間がない」

「海外に住んでいるので、代わりに日本の外務省へ申請し、海外まで郵送してほしい」

そのようなお悩みをお持ちの方は、国際業務専門の行政書士にご相談ください。

当事務所では、あなたに代わって複雑な書類の認証手続きを迅速かつ正確に代行いたします。あなたの貴重な時間と労力を削減し、グローバルなビジネスや新しい人生へのステップを全力でサポートいたします。

まずはご自身の状況をお聞かせください。下記のリンクより【初回無料相談】をいつでも承っております。皆様からのお問い合わせを、心よりお待ちしております!

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この記事を書いた人

WILL行政書士事務所 代表
石川県金沢市出身・在住の申請取次行政書士。
元技能実習生監理団体の職員で、自身も国際結婚を経験。
日本で生活する外国人の方をサポートします!

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