日本で生活をしている外国人の方や、これから日本で家族と一緒に暮らそうと考えている方にとって、子育てに関する経済的なサポートは非常に気になるポイントですよね。
「外国籍でも日本の児童手当はもらえるの?」
「手続きはどうすればいいの?」
「母国に子どもを残している場合はどうなるの?」
言葉や文化の壁がある中で、日本の複雑な行政手続きを前に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。結論から申し上げますと、外国人の方であっても、要件を満たせば日本人と同じように児童手当を受け取ることができます。
この記事では、国際業務を専門とする行政書士が、日本に住む外国人のための児童手当の基本ルールから、支給額、よくあるお悩み、そして具体的な申請手続きまでをわかりやすく解説します。お子様の健やかな成長のためにも、ぜひ参考にしてください。
児童手当とは?外国人も対象になるの?
児童手当法は、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本認識の下に定められています 。児童を養育している者に児童手当を支給することにより、家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的としています 。
この制度は、日本国籍を持つ人だけのものではありません。外国人についても、原則として日本国民に対する取扱いと同様です 。
受給できる人の条件(受給資格者)
児童手当を受け取ることができるのは、児童を「監護」し、「生計を同じく」し、「生計を維持」している者です 。外国人に係る受給資格の認定は、当該外国人の住所地の市町村長が行い、その住所地は住民基本台帳によります 。
対象となる児童の条件
- 支給対象者は、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者(高校生年代)です 。
- 日本国内に住所を有するもの、または留学その他の理由により日本国内に住所を有しないものが対象とされ、児童に対しても国内居住要件が設けられています。
- 外国人である児童の氏名、生年月日、住所および受給資格者との続柄等の確認は、住民基本台帳をもって行われます 。
- なお、児童が児童養護施設などの施設に入所している場合、児童手当は施設の設置者等に支給される仕組みとなっています 。
児童手当はいくらもらえる?支給額と支給時期
実際にいくら支給されるのか、またいつ口座に振り込まれるのかは、生活設計において最も重要な部分です。児童手当の支給額は、お子様の年齢や人数によって以下のように定められています。
児童手当の支給額
- 3歳未満の児童:月額1万5,000円(第3子以降は3万円)が支給されます 。
- 3歳以上高校生年代までの児童:月額1万円(第3子以降は3万円)が支給されます 。
支給される時期
- 児童手当は、毎年2月、4月、6月、8月、10月、12月(偶数月)に支給されます 。
- それぞれの支給月には、前月分まで(2か月分)がまとめて支給されます 。
- 例えば、6月の支給日には、4月と5月分の児童手当が支給されることになります 。
【よくあるお悩み】母国に別居している子どもは対象になる?
国際結婚をされた方や、日本で働く外国人の方から非常に多く寄せられるのが、「母国に住んでいる子ども」に関するご相談です。
例えば、日本人男性と結婚して日本に住むフィリピン人女性の事例を見てみましょう 。現在の夫との間に日本で生まれた子が1人おり、さらに本国(フィリピン)には前夫との間にできた子が1人いるというケースです 。本国に別居している子を扶養している場合、その子に対する児童手当はどうなるのでしょうか 。
原則として「国内居住」が要件
前述の通り、児童手当には「国内居住要件」が設けられています 。そのため、本事例の場合、日本に同居している高校生年代までの子については支給要件があると思われますが、本国に別居している子については留学その他の理由がないと認められない可能性があります 。
例外となる「留学」の取り扱い
児童の国内居住要件の例外となる「留学その他の内閣府令で定める理由」の取扱いについても、日本国民と同様に適用されます 。もし、お子様が「留学」という扱いで母国にいると認められれば支給の対象になるケースもありますが、個別の事情によるため、住所地の市区町村窓口で相談することが推奨されています 。
児童手当の申請手続きと必要書類
児童手当は、自動的にもらえるわけではありません。対象となる子がいる場合には、「児童手当認定請求書」を提出して手続をします 。
申請の期限(15日ルールに注意!)
手続きで最も気をつけなければならないのが「期限」です。出生・転入の場合、出生日・転入日の翌日から起算して15日以内に申請手続を行ってください 。期限を過ぎてしまうと、遅れた月分の手当が受け取れなくなる可能性がありますので、早めの行動が大切です。
申請先と必要なもの
- 申請先は、居住する市区町村となります 。
- 申請書類として、「児童手当・特例給付認定請求書」を提出します 。
- 請求者が会社員などの被用者である場合は、健康保険証利用登録がされたマイナンバーカード、健康保険の資格証明書、年金加入証明書の写しなどが添付書類として必要です 。
- また、当該年または前年の1月1日に今の市区町村に住民票がなかった場合は、前住所地の市区町村長が発行する児童手当用所得証明書が必要になります 。
- その他、請求者名義の金融機関の口座番号がわかるものも必要に応じて提出します 。
状況に応じて追加で必要な書類
ご家庭の状況によっては、追加の書類を求められることがあります。
- 児童と別居している場合は、「別居監護申立書」の提出が必要です 。
- 18歳に達する日以後の最初の3月31日を経過した後の22歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある兄姉等について、監護に相当する世話等をし、その生計費を負担している場合は、「監護相当・生計費の負担についての確認書」を提出します 。
(POINT)
詳しい書類の中身や書き方についてはお住いの自治体(役所)にてご確認ください
要注意!日本を出国(帰国)する場合の取り扱い
外国人の方が母国へ一時帰国したり、生活の拠点を移して出国したりする場合、児童手当の受給権はどうなるのでしょうか。これは「再入国許可」の有無によって大きく扱いが異なります。
① 再入国の許可を受けずに出国する場合
生活の本拠を移して出国する場合や、再入国の許可(みなし再入国許可を含みます)を受けないで出国した場合には、当該外国人に係る住民票が消除された日をもって当該児童手当等の受給権が消滅します 。 また、外国人の児童が再入国の許可を受けないで出国した場合にも、「留学」等の理由を除き、住民票が消除された日をもって支給要件児童ではなくなります 。
② 再入国の許可を受けて出国している場合
外国人が再入国の許可を受けて出国した場合には、原則として当該外国人に係る住民票がある間はいまだ「日本国内に住所を有する」ものとして取り扱われます 。 しかし、再入国の許可を受けて出国した受給者が再入国の有効期間内に再入国しなかった場合には、住民票が消除された日をもって受給権が消滅します 。 さらに注意すべき点として、当該外国人の出国した日が把握された場合には、児童手当等の受給権は当該外国人が出国した日に遡及して消滅し、手当の返還請求が行われます 。長期間日本を離れる場合は、市区町村の窓口でしっかり確認しておくことが重要です。
(POINT)
実際に短期間の一時帰国ケースでは、ほとんどがみなし再入国許可で再入国することになると思いますので、あまり問題になることは無いと思います。
まとめ:日本での生活や各種手続きでお困りの方は専門家へ
日本における児童手当の制度は、要件を満たせば外国人の方でも等しくサポートを受けられる素晴らしい制度です。しかし、「住民基本台帳(住民票)への登録」や「15日以内の期限」、さらには「再入国許可を伴う出国の扱い」など、日本の法律や行政システムに馴染みがない方にとっては、少し複雑で不安に感じる部分も多いことでしょう。
本記事で解説したように、お子様が日本に同居しているか、母国にいるかによっても手続きや判断が異なります。もし「自分のケースではどうなるの?」「役所からの案内文が難しくて読めない」とお悩みの場合は、決して一人で抱え込まず、専門家にご相談ください。
WILL行政書士事務所では、国際業務を専門とする行政書士が、在留資格(ビザ)の申請や帰化手続きはもちろん、日本で暮らす外国人の方々の生活に関するお悩みにも真摯に寄り添い、サポートいたします。
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