「日本に長く住んでいるので、そろそろ賃貸を卒業してマイホームを購入したい」
「外国人でも日本の銀行で住宅ローンを組むことはできるの?」
「家を買った後の、不動産登記の手続きが難しそうで不安……」
日本で生活の基盤を築き、ご家族と一緒に安心して暮らせる家を持ちたいと考える外国人の方は年々増えています。しかし、いざ不動産を購入しようとすると、言葉の壁だけでなく、法律や銀行の審査といった多くのハードルに直面し、悩んでしまう方が少なくありません。
結論から申し上げますと、外国人の方でも日本で不動産を購入することは十分に可能です。しかし、住宅ローンの審査基準や、購入後の登記手続きには、日本人とは異なる特有の注意点や最新の法律のルールが存在します。
そこで本記事では、国際業務専門の行政書士が、外国人が日本で不動産を購入する際の法律上のルールから、最も高い壁となる住宅ローン審査の実情、そして令和6年(2024年)に大きく変わった不動産登記の最新ルールまで、専門用語をできるだけ噛み砕いて徹底的に解説します。
日本でマイホームの夢を叶えたい方は、ぜひ最後までお読みいただき、今後の計画にお役立てください!
外国人でも日本で不動産(土地・建物)は買える?法律上の制限とは
日本で家や土地を買いたいと思ったとき、最初に気になるのは「そもそも外国籍でも不動産を買うことができるのか?」という点ではないでしょうか。
国籍による不動産購入の制限は原則「なし」
実は、現在の日本の法律では、外国人が日本国内の不動産を取得することに対して、特段の制限は設けられていません。国によっては外国人の土地所有を禁止したり、制限したりしているケースもありますが、日本では日本人と全く同じように土地や建物を購入し、所有することが可能です。
要注意!「外為法」による事後報告が必要なケース
ただし、外国為替及び外国貿易法(通称:外為法)という法律により、一つだけ注意しなければならないルールがあります。それは、不動産を購入した人が「非居住者」に該当する場合、原則として不動産を取得した日から20日以内に、日本銀行を経由して財務大臣へ報告書を提出しなければならないという義務です。
ここでいう「非居住者」とは、文字通り「日本に住んでいない人」を指しますが、法律上の区分は少し複雑です。外国人の場合、原則として「非居住者」と推定されますが、以下のいずれかの条件を満たす方は例外として「居住者」として扱われます。
- 日本国内にある事務所(会社など)に勤務している方
- 日本に入国してから6か月以上経過している方
つまり、すでに日本で働いている方や、日本での生活が半年を超えている方は「居住者」となるため、不動産を購入してもこの外為法上の事後報告は不要となります。また、同居しているご家族(生活費を負担してもらっている配偶者など)の扱いも、その代表者に従うため、同じく報告は不要です。
【具体例でチェック】
[ケースA]
日本のIT企業で就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)で3年間働いている外国人の方
「居住者」となるため、家を買っても財務大臣への報告は不要です。
[ケースB]
海外に住んでいる外国人が、投資目的で日本のマンションを購入した場合
「非居住者」となるため、原則として取得後20日以内の事後報告が必要です。ただし、非居住者であっても、自分自身や親族、従業員の「居住用目的」で購入した場合は報告が免除されるという特例もあります。
このように、現在日本で普通に生活して働いている方であれば、法律上の制限や面倒な事後報告を気にする必要はほとんどありません。
最大の壁!外国人が日本の「住宅ローン」を組むための条件
不動産を購入する際、多くの方が金融機関(銀行など)で住宅ローンを利用すると思います。実は、外国人の方が日本で家を買うにあたって最大の壁となるのが、この住宅ローンの審査なのです。
なぜ外国人のローン審査は厳しいのか?
住宅ローンは、35年など非常に長い期間をかけて数千万円のお金を返済していく契約です。金融機関の立場からすると、「もしローンを返済している途中で、この人が母国に帰ってしまったら、お金を回収できなくなってしまう」という大きなリスクを抱えることになります。
そのため、金融機関は債務者(お金を借りる人)に対して、長期間にわたって日本に安定して住み続け、返済を続けてくれる可能性が高いことを強く求めます。
審査の基本条件は「永住者」であること
上記のような理由から、多くの日本の金融機関は、外国人が住宅ローンを組むための条件として、原則として「永住者」の在留資格を持っていることを条件としています。「永住者」のビザを持っていれば、日本に住む期間に制限がなく(無期限)、仕事の制限もないため、金融機関は「日本人と同じ基準」で住宅ローンの審査を行ってくれます。
逆に言えば、「日本人の配偶者等」や就労ビザ(在留期間が1年、3年、5年と決まっているもの)の場合は、期間の制限があるため、原則として住宅ローンの審査を通すのは非常に難しくなります。
「永住者」以外の在留資格で住宅ローンを組むには?
では、まだ永住権を持っていない方はマイホームを諦めなければならないのでしょうか。決してそうではありません。以下のような方法で、ローンを組む道を切り開くことができます。
① 永住許可申請を行う(または申請中であること)
最も王道なのは、まず「永住許可」を取得することです。永住許可の基本要件は「引き続き10年以上日本に在留し、そのうち就労資格などで5年以上働いていること」などですが、日本人と結婚している場合は「実体を伴う婚姻生活が3年以上継続し、引き続き1年以上日本に在留していること」など、期間が短縮される特例もあります。
また、銀行によっては、現時点で永住権を持っていなくても、「現在、入国管理局へ永住許可申請中である(将来的に永住する予定がある)」という証明ができれば、事前審査などの相談に乗ってくれるところもあります。
② 「定住者」などのままで特別な条件を満たす
「永住者」でなくても、一定の条件を満たせば相談に乗ってくれる都市銀行や地方銀行も存在します。ただし、日本人や永住者と比べて、以下のように加重された厳しい条件を求められるのが一般的です。
- 日本人配偶者などの連帯保証
日本人の配偶者や、永住者の配偶者がいる場合、その方に連帯保証人になってもらうことを求められます。 - 自己資金(頭金)の割合
物件価格の全額(フルローン)を借りることは難しく、「物件価格の20%以上の頭金を用意してください」などと言われることがあります。 - 勤務先や勤続年数
その銀行と提携している大手企業に勤めていることや、勤続年数が通常よりも長く求められることがあります。 - 金利の優遇がない
日本人であれば受けられるような「金利引き下げキャンペーン(優遇金利)」が適用されず、少し高めの金利が設定されるケースもあります。
このほか、日本の銀行ではなく、ご自身の母国にある銀行の日本支店(外国銀行)に相談することで、日本の銀行よりも緩やかな審査基準で住宅ローンを組める可能性もあります。
住宅ローン契約に必要な書類一覧
実際に住宅ローンを申し込む際、一般的には以下のような書類の提出が求められます(※銀行によって異なります)。
- 収入・納税を証明する書類:源泉徴収票、確定申告書の控え、住民税の課税証明書・納税証明書など
- 本人確認書類:在留カード、パスポート、住民票
- 印鑑関連:実印、市区町村で発行された印鑑証明書
- 銀行印と預金通帳
- 不動産に関する書類:売買契約書、重要事項説明書、登記事項証明書など
スムーズに手続きを進めるためには、日頃から税金(住民税など)を滞納せずにしっかり払い、実印の登録などを済ませておくことが大切です。
日本で不動産登記をするには?手続きと最新のルール
無事にローン審査を通過し、不動産を購入した後は、その家や土地が「自分のもの」であることを世の中に法的に証明するための「不動産登記」という手続きを行う必要があります。
具体的には、中古物件や土地を買った場合は名義を変更する「所有権移転登記」を、新築の家を建てた場合は新たに「所有権保存登記」を行います。また、住宅ローンを組んだ場合は、銀行が不動産を担保にするための「抵当権設定登記」も同時に行われます。
不動産登記は外国人でもできる?
もちろん可能です。外国人が不動産を購入した場合でも、日本人と全く同じように、不動産の所在地を管轄する地方法務局へ申請書と必要な書類を提出することで登記を行うことができます。この手続きは非常に専門的で複雑なため、通常は不動産会社や銀行が手配してくれる司法書士(登記の専門家)に依頼して代行してもらうのが一般的です。
令和6年(2024年)4月1日からの「新ルール」に注意!
外国人の方の不動産登記について、これまでと大きく変わった非常に重要な最新のルール改正があります。
「外国に住所を有する外国人又は法人が所有権の登記名義人となる登記の申請をする場合の住所証明情報の取扱いについて」という法務省の通達(令和5年12月15日 民二1596号)により、令和6年(2024年)4月1日以降、外国人の登記に必要な書類や登録事項が大幅に厳格化されました。
この改正を知らないと、いざ家を買う段階になって「登記ができない!」というトラブルになりかねませんので、必ずチェックしてください。
変更点①:住所や本人確認を証明する書類の厳格化
これまで、日本に住んでいる外国人が登記をする際、住所を証明する書類として「住民票」や「印鑑証明書」を提出していました。しかし、令和6年4月以降は、マネーロンダリング(資金洗浄)などの不正を防ぐ目的から、より厳格な本人確認が求められるようになりました。
- 【日本国内に住民票がある外国人(中長期在留者・特別永住者など)】
これまでの「外国人住民票」や「印鑑登録証明書」に加えて、本人確認のために「在留カード」または「特別永住者証明書」の提示(コピーの提出など)が必須となりました。 - 【日本に住民登録がない外国人(海外に住んでいる方など)】
日本の住民票や印鑑証明書が取れないため、これまでは本国の大使館などで取得したサイン証明書などを提出していました。新ルールでは、公証役場等での宣誓供述書、パスポートのコピー、または本国政府が発行した住所証明書などを確実に提出しなければならなくなりました。
変更点②:氏名の「ローマ字併記」が必須に
これまで、登記簿に載る外国人の名前は、漢字やカタカナなどの「日本語表記」だけで登録されていました。しかし新ルールでは、所有者が外国人である場合、従来の日本語表記に加えて「ローマ字表記」を併記することが義務化されました。これにより、登記簿上で外国人の正確な氏名をアルファベットで確認できるようになりました。
変更点③:国内連絡先の登録義務化
海外に住んでいる外国人(日本に住所がない外国人)が日本の不動産を購入して登記する場合、「日本国内の連絡先(国内連絡先となる人の氏名・住所など)」を登記簿に登録することが義務化されました。これは、所有者が海外にいると、自治体からの税金の通知や、不動産に関する重要な連絡が取れなくなってしまう「所有者不明土地問題」を解決するための措置です。
このように、外国人の方の不動産登記手続きは以前よりも準備する書類が増え、複雑になっています。家を買うことが決まったら、早めに担当の司法書士や不動産会社に必要な書類を確認し、余裕を持って準備を進めましょう。
住宅ローンを有利に進めるためにも「永住許可」の取得を!
ここまで解説してきた通り、外国人が日本で家を買うこと自体は可能ですが、「住宅ローンを組む」という点において、在留資格(ビザ)の種類が非常に大きな影響を与えます。
「どうしてもマイホームが欲しいけれど、今の就労ビザでは銀行の審査に落ちてしまった……」
「頭金を20%も求められてしまい、資金が足りない……」
このような悩みを根本的に解決するための最も確実な方法は、やはり「永住許可(永住権)」を取得することです。永住権さえあれば、日本人と全く同じ条件で、低い金利でフルローンを組める可能性が飛躍的に高まります。
永住許可申請は専門家への相談が近道
しかし、永住許可申請は非常に審査が厳しく、準備しなければならない書類も膨大です。
- 最低でも10年以上日本に住んでいること(※日本人と結婚している場合などは期間短縮の特例あり)
- 税金や年金、健康保険料を過去にわたって1日たりとも遅れずに支払っていること
- 安定した収入があり、独立して生計を立てられること
- 交通違反などの犯罪歴がないこと
これらを証明するために、理由書(なぜ永住したいのかを日本語で書いた文章)の作成や、本国からの書類の取り寄せ、過去数年分の所得・納税証明書の収集など、外国人の方がお一人で手続きを行うには多大な労力と時間がかかります。
また、少しでも書類に不備があったり、年金の支払いに遅れがあったりすると、不許可となってしまうのが現在の入国管理局の厳しい審査状況です。
まとめ:日本での永住・マイホームの夢はWILL行政書士事務所にお任せください!
日本で不動産を購入し、長く安定して暮らしたいと願う外国人の方にとって、「住宅ローンの審査」と「厳格化された不動産登記」は乗り越えなければならない大きな壁です。そして、その壁を打ち破るための最強のチケットが「永住者」の在留資格です。
「今の自分の状況で、永住ビザの申請ができるのだろうか?」
「住宅ローンを組みたいので、なるべく早く永住権を取りたい!」
「過去に転職が多かったり、税金の支払いを忘れたりしたことがあって審査が不安……」
そんな方は、ぜひ一度、WILL行政書士事務所へご相談ください。
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