「日本人と結婚したけれど、パートナーが無職だから身元保証人になれないって本当?」
「身元保証人の年収はいくら必要なの?借金の保証人みたいに、代わりに実質的にお金を払わなきゃいけないの?」
「パートナーに収入がない場合、親や親族にお願いしてビザを取る方法を知りたい!」
愛する日本人と結婚し、これから日本で一緒に幸せな新婚生活をスタートさせようと決意した外国人の皆さんにとって、最初に立ちはだかる大きな壁が「配偶者ビザ(日本人の配偶者等)」の申請手続きです。
この配偶者ビザを申請する際、入国管理局(入管)へ提出する書類のなかに、必ず「身元保証書(みもとほしょうしょ)」という書類が含まれています。そして、この身元保証人には、原則として「あなたの結婚相手である日本人配偶者」がなるルールになっています。
しかし、「夫(妻)が転職したばかりで収入が少ない」「フリーターで年収が低い」「過去に税金を滞納してしまった」といった事情がある場合、「パートナーでは保証人の能力が足りない(適格性がない)」と入管に判断されてしまうケースがあります。
結論から申し上げますと、日本人配偶者の収入や納税状況が基準を満たせず、単独では身元保証人になれない場合であっても、日本人の親や親族を「追加の身元保証人(または生計維持者)」として巻き込み、適切な理由書を添付して申請すれば、配偶者ビザを確実に取得することは十分に可能です。
今回は、国際業務専門の行政書士が、最新の入管の審査動向に基づき、配偶者ビザにおける身元保証人の正しい条件と責任の範囲、そして収入不足を乗り越えて許可を勝ち取るための実務的な解決策を詳しく解説します。
勘違いで損をしている人が多数!配偶者ビザの「身元保証人」の本当の責任
「身元保証人をお願いしたいけれど、両親から『借金の連帯保証人みたいに、代わりに借金を背負わされるのが怖いから嫌だ』と断られてしまった……」という国際結婚夫婦からの悲痛なご相談を本当によくいただきます。
まず最初にお伝えしたいのは、入管法における「身元保証人」の責任は、民法上の「金銭的な連帯保証人」とは全く性質が異なるということです。ここを正しく理解し、説明できるようになることが、家族の協力を得るための第一歩です。
2026年最新の身元保証書に書かれていること
2026年現在の入管の公式な身元保証書には、保証する内容として以下の3点(またはこれらに準ずる適正な履行の支援)が記載されています。
- 滞在費
外国人が日本で暮らすための生活費のサポート - 帰国旅費
万が一、母国へ帰国する際の手続きや費用のサポート - 法令の遵守
日本の法律を守って生活できるように支援すること
法的な強制力や損害賠償リスクは「ゼロ」
実務上、この身元保証は「道義的(どうぎてき)責任」の範囲に留まります。 仮に外国人配偶者が日本で借金を作って逃げてしまったり、事件を起こしたりしたとしても、身元保証人がその借金を代わりに支払う法的義務(損害賠償義務)は一切発生しません。 「じゃあ、もし保証した外国人がルールを破ったら、身元保証人はどうなるの?」 その場合の唯一のペナルティは、「その身元保証人は、社会的信用を失うため、今後別の外国人のビザ申請で身元保証人になれなくなる」という点だけです。つまり、警察に捕まったり、お金を差し押さえられたりするリスクはありません。この事実を、まずはパートナーやご家族に正しく伝えて安心させてあげてください。
入管が厳密にチェックする、身元保証人の「年収」と「納税」の最低ライン
身元保証人に法的な金銭賠償リスクはないものの、入管の審査官は「この保証人は、外国人配偶者を日本でしっかり養っていける経済力(保証能力)があるか」を、書類(課税・納税証明書)をもとに極めて厳格に審査します。
具体的な審査のボーダーライン(最低ライン)は以下の通りです。
① 年収の目安は「世帯合計で240万円以上」
明確な法律上の数字はありませんが、実務上、夫婦2人が日本で生活保護を受けずに経済的に独立して暮らしていくための最低ラインとして、月収20万円以上、年収で240万円以上が一つの基準となります。
- 共働きの場合
この収入要件は「世帯全体の合計収入」で判断されます。そのため、日本人配偶者の年収が180万円であっても、外国人配偶者側が現在すでに別のビザ(「技術・人文知識・国際業務」や「特定技能」など)で働いており、年収が200万円以上ある場合は、世帯合計で要件をクリアできます。 - 外国人側が無職の場合
海外からこれから外国人配偶者を呼び寄せる(在留資格認定証明書交付申請)場合、外国人側は日本での収入が当然ゼロですので、日本人配偶者(身元保証人)単独の年収がダイレクトに審査されます。
② 税金(住民税)の「未納」および「支払い遅れ」は一発不許可の原因
年収の金額がいくら高くても、日本人配偶者が直近の住民税を滞納(未納)している場合、その時点で配偶者ビザは原則として不許可になります。 会社の給料から天引き(特別徴収)されている場合は安心ですが、フリーターや個人事業主などで、自分で納付書を持ってコンビニ等で支払っている(普通徴収)場合は、過去1〜2年の間に「納付期限(期日)を1日でも過ぎて支払った履歴」がないか確認してください。未納がなくても、支払い遅れの常習犯であると入管にみなされると、「公的義務を適正に履行する能力・意思がない」と判断され、保証人としての適格性を否定されます。
パートナーの経済力が足りない場合の3つの方法
「夫が転職したばかりで直近の課税証明書の年収が150万円しかない」 「妻がフリーターで、住民税の非課税証明書(収入ゼロまたは極めて低い証明)しか出せない」
このような場合でも、結婚ビザを諦める必要はありません。実務上、入管に対して以下の3つの方法を用いて「生活の安定性」を補強すれば、無事に許可を得られる可能性があります。
① 日本人の「親や親族」を追加の身元保証人・生計維持者にする
これが最も確実で、実務上多く使われる王道の方法です。 日本人配偶者の年収が200万円以下で足りない場合、安定収入のある日本人の両親(義理の父や母)、あるいは兄弟姉妹に「追加の身元保証人(または実質的な生計維持者)」になってもらい、その方の課税・納税証明書、住民票、在職証明書などを一式セットで入管に提出します。 入管に対して「夫婦の収入はまだ少ないですが、日本人の親族が経済的にバックアップすることを約束してくれています」という事実を証明することで、生計の審査のハードルをクリアすることができます。
② 夫婦の「貯金通帳の写し」や資産でカバーする
「親とは疎遠で頼れない」「親も年金生活だから経済的な余裕がない」という場合、もし夫婦の口座にまとまった預貯金(目安として100万〜200万円以上)があれば、そのすべての預貯金通帳の原本のコピーを提出して経済力を証明します。 また、家賃がかからない「実家(親名義の持ち家)に同居する」場合や、本人名義の不動産(マンションなど)がある場合は、その不動産の登記事項証明書を添付することで、「家賃の支出が発生しないため、低い年収であっても十分に自立して暮らしていける」という合理的な生計計画を入管に示すことができます。
③ 外国人配偶者側の「確実な就職内定」をアピールする
これから海外から来日するケースであっても、外国人配偶者側が高い日本語能力や専門的なキャリアを持っており、日本の企業からすでに「月収25万円の採用内定通知書(または雇用契約書)」をもらっている場合は、それを強力な生計の根拠として提出します。 入管に対して「来日後、すぐに外国人側がこれだけの収入を得て世帯を支えるため、現在の日本人側の低収入は一時的な問題にすぎない」と理由書で論理的に説明すれば、生計維持能力があると認められ、許可が得られる可能性が格段に高まります。
家族の協力を得てビザを確実に勝ち取るための「身元保証の理由書」の書き方
日本人の親族(親や兄弟)に追加の身元保証人になってもらう手続きを進める際、ただ役所の書類(納税証明書など)をポイと入管に出すだけでは、審査官に「名前を借りただけではないか(名義貸しの疑い)」と邪推されてしまいます。
親族に協力してもらう場合は、日本人配偶者、または協力してくれる親族の署名捺印を入れた「身元保証の引き受けに至る理由書(上申書)」を自作して添付してください。
理由書に必ず盛り込むべき3つの核心的なストーリーは以下の通りです。
- 現在の低収入の理由と、一時的なものであることの説明
「現在、夫は〇〇の資格取得のためにアルバイトに従事しており、年収が〇万円に留まっていますが、本年〇月には試験を終えて正社員として就職することが内定しています」といった、現在の状況と前向きな未来の計画を記載します。 - 親族側が結婚を心から祝福し、応援している事実
「私たち夫婦は、2人の結婚を心から祝福しており、すでに親族内での顔合わせも済ませています。若く経済的な基盤が整うまでの間、親として責任を持って彼らの新婚生活を全面的にバックアップすることをお約束いたします」と記載し、入管が最も嫌う「ビザ目的の偽装結婚(実体のない関係)」ではないことを強力に疎明(アピール)します。 - 具体的な支援内容
単にお金をあげるという抽象的な話ではなく、「生活が安定するまでは、実家の2階の部屋(同居)を無償で提供し、光熱費や食費についても親の口座から実質的に負担します」といった、目に見える具体的な支援の形を書き出すことが、審査官の安心感(許可へのゴーサイン)に繋がります。
自分たちだけで進めると不許可になりやすい!実務上の3つのケース
「親にお願いして住民税の書類ももらったから、これで完璧!」と思って自分たちだけで申請を出した国際結婚夫婦が、入管から不許可通知を受け取ってしまうケースが多いです。自分たちだけで進める際に見落としがちな3つの致命的な落とし穴を解説します。
ケース① 親族の「マイナンバー」が書類に載ったまま提出してしまう
市役所で親や自分の「住民票」や「所得証明書」を取得する際、何も指定しないと「マイナンバー(個人番号)」が印字された書類が発行されます。 入管法および個人情報保護法の厳しいルールにより、入管は原則としてマイナンバーが記載された書類を受け取ることができません。もしマイナンバーが載ったままの書類を窓口へ持っていくと、その場で受け取りを拒否されるか、あるいは油断して郵送などで出してしまった場合、「書類の不備」として役所へもう一度取り直しに行くよう命じられ、それだけで書類集めのスケジュールが1ヶ月以上遅れる原因になります。必ず「マイナンバー省略(記載なし)」のものを指定して取得してください。
ケース② 親族の書類の発行日(3ヶ月期限)の管理ミス
永住ビザや帰化申請と同様に、配偶者ビザの申請で提出する日本の役所の公的書類(課税証明書、納税証明書、住民票、戸籍謄本など)には、すべて「発行日から3ヶ月以内」という厳格な有効期限があります。 実家から親の書類を郵送してもらうのに時間がかかったり、外国人側の母国の結婚証明書(婚姻届の裏付け書類)の取り寄せや和訳の作成に手間取っていると、せっかく集めた親の納税証明書の期限がいつの間にか切れてしまいます。期限切れの書類が1枚でも混ざっていると、入管は受け付けてくれません。
ケース③ 過去のデータとの「国際結婚に至る経緯」の矛盾
外国人の方が、過去に「留学」や「技能実習」「就労ビザ」を取得・更新した際に、入管に対して提出した「親族の概要」や「履歴書」のデータと、今回の配偶者ビザの申請書に記載する「出会った時期」や「お互いの家族の情報」に、少しでも日付や内容の矛盾があると、入管の審査官から「ビザを維持するため、あるいは日本に残るために適当なウソのストーリーを作って国際結婚を装っているのではないか」と、強烈な偽装結婚の疑いをかけられます。 過去の自分の申請内容を完全に記憶していない場合は、事前に役所や入管の保有するデータを正確に確認した上で、矛盾のない完璧な整合性を持った書類を作成しなければ、再申請のハードルは非常に高くなります。
身元保証人や収入不足のトラブル解決は、WILL行政書士事務所へお任せください
配偶者ビザの身元保証人に関する要件や、夫婦の収入不足という問題は、大好きな人と日本で一緒に暮らしたいと願う国際結婚夫婦にとって、家族の未来を揺るがす本当に深刻で苦しい悩みです。 しかし、今回詳しく解説した通り、入管の審査ルールを正しく理解し、ご家族の温かい協力を得て、法的・論理的な書類パッケージ(追加保証の立証や精緻な理由書の作成)を完成させることができれば、現在の年収が低くてもビザを取得することは100%可能です。
一番やってほしくないのは、「年収が足りないけれど、とりあえず出してみよう」と、何の対策もなしに薄い申請書だけを入管の窓口へ出してしまうことです。一度入管のデータベースに「収入不足による不許可(社会的生計維持能力なし)」の記録が残ってしまうと、2回目の再チャレンジ(リカバリー申請)の審査は1回目の何倍も厳しくなってしまいます。
「夫(妻)が無職・フリーターだけれど、私の状況で配偶者ビザは取れる?」 「親に身元保証人になってもらうための、説得力のある理由書の書き方が分からない」 「マイナンバーや書類の有効期限のミスなく、1回で確実に一発許可が欲しい」
このような不安や焦りを抱えている方は、どうか一人で悩んで時間を浪費してしまう前に、すぐに当事務所(WILL行政書士事務所)にご相談ください。
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