今回は、「技術・人文知識・国際業務」(以下「技人国」)の在留資格で働いている外国人の方が、永住ビザ(在留資格「永住者」)を考えるときの「年数の数え方」についての解説記事です。
永住許可には、原則として「引き続き10年以上の在留」と、そのうち「就労資格で引き続き5年以上」が必要です。
この記事を読み終えるころには、ご自身がこの年数を満たしているか、手元の在留カードとパスポートで数えられるようになることを目指します。
はじめに|「私は、あと何年で永住を申請できるの?」と悩んでいるあなたへ
「日本語学校と大学で6年、技人国で4年。合わせて10年だから、もう申請できる?」
「去年、転職しました。就労の5年は、ゼロから数え直しになるの?」
「コロナの前に一度帰国して、また来日しています。前の在留期間は数えていいの?」
永住許可の相談で、いちばん多い質問の一つが「年数」です。 ところが、永住許可のガイドラインに書かれている年数のルールは、たった数行しかありません。そのため、留学から就職した方、転職した方、一時帰国した方など、経歴によって数え方に迷う場面がたくさんあります。
さらに、2026年は永住許可のガイドラインが2回見直されました(2月24日の改訂と、10月1日の改定)。2027年4月1日以降の申請からは、新しいガイドラインが全面的に適用されます。
この記事では、外国人の方のビザ手続きをサポートするWILL行政書士事務所が、技人国から永住を目指す方に向けて、年数の数え方を経歴のパターン別に解説します。
各章に、具体例、NG例、よくある疑問を載せました。
※この記事は、2026年11月時点の情報をもとに書いています。永住許可の制度は、2026年から2027年にかけて大きく変わる時期にあります。申請の前に、必ず出入国在留管理庁の最新情報を確認してください。
第0章 結論|技人国から永住へ、年数のルールは4つ
1 永住許可の「年数」に関するルール
永住許可は、法律(出入国管理及び難民認定法 第22条)で、次の3つの要件が定められています。
- 素行が善良であること
法律を守り、社会的に非難されない生活をしていること - 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
公共の負担にならず、将来も安定した生活が見込まれること - その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
国益要件
このうち、「年数」に関するルールは、3つ目の国益要件の中に書かれています。技人国で働く方に関係するのは、次の4つです。
| ルール | 内容(2026年2月24日改訂版ガイドライン) |
|---|---|
| ① 引き続き10年 | 原則として、引き続き10年以上日本に在留していること |
| ② うち就労資格5年 | その10年のうち、就労資格(「技能実習」と「特定技能1号」を除く)または居住資格で、引き続き5年以上在留していること |
| ③ 最長の在留期間 | 今の在留資格について、法令で定められた最長の在留期間(技人国なら「5年」)をもって在留していること |
| ④ 上陸許可基準等への適合 | 今の在留資格について、法務省令で定める上陸許可基準等に適合していること(2026年2月24日の改訂で追加) |
この記事では、①と②の「数え方」をいちばん詳しく解説し、③と④は第3章で取り上げます。
2 申請する日によって、適用されるガイドラインが違う
出入国在留管理庁は、申請した日によって、次のガイドラインを適用すると案内しています。
| 申請した日 | 適用されるガイドライン |
|---|---|
| 2026年3月31日まで | 2026年2月24日改訂版 |
| 2026年4月1日〜2027年3月31日(これから申請する方を含む) | 2026年2月24日改訂版。ただし、収入に関する部分(新ガイドライン第2の4(2)・第2の5(7))だけは、2026年10月1日改定版を適用 |
| 2027年4月1日以降 | 2026年10月1日改定版(全面適用) |
年数のルール(①〜③)そのものは、新しいガイドラインでもほぼ同じ形で引き継がれています。ただし、何を「就労資格」と数えるか、どの期間を「10年」に数えないか、などが新しいガイドラインで具体的に書き込まれました。この違いは、第1章・第2章で、該当する箇所ごとに説明します。
改定の全体像は、下の記事で新旧を比べながら解説しています。

行政書士:中田年数を満たせば許可される、というわけではありません。
年数は、永住許可を受けるための「入口の条件」の一つにすぎません。実際の審査では、収入、税金・年金・医療保険の納付状況、入管への届出など、日本での暮らし全体が見られます。 この記事は、その入口に立てているかを、ご自身で確かめるためのものです。
第1章 「引き続き10年」「就労5年」の数え方の基本
1 「引き続き」とは、途切れずに続いていること
ガイドラインの「引き続き」は、日本での在留が途切れずに続いていることを意味します。 在留資格が変わっても(留学→技人国など)、日本での在留そのものが続いていれば、10年の計算はつながります。
反対に、出国によって在留資格がなくなり、あらためて日本に入国した場合は、在留が一度途切れたことになります(第2章のパターンEで解説します)。
2 いつから数える?|「今回の入国」の日から
ガイドラインには、10年をいつから数えるかの書き方はありません。
当事務所では、今の在留につながる入国(上陸許可)の日を起点として数える、と整理しています。
- 再入国許可(みなし再入国を含む)で一時帰国して戻った場合は、最初に来日した日が起点のままです
- 一度、在留資格がなくなって新しく入国した場合は、その新しい入国の日が起点になります
3 「10年」に入る期間・入らない期間
2026年2月24日改訂版のガイドラインは、10年について「引き続き10年以上本邦に在留」とだけ書いており、在留資格の種類を限定していません。そのため、留学(日本語学校・大学・専門学校)や家族滞在で在留していた期間も、10年に数えるのが一般的な整理です。技能実習の期間も、10年には数えられます(就労5年には入りません。第2章のパターンFを参照)。
一方、2027年4月1日以降の申請に適用される新しいガイドラインでは、在留資格「特定活動」について、次のように明記されました。
- 特例的・一時的に在留が認められているものは、「10年」に数えない
- 数えない主な例として、継続就職活動、就職内定者、大学等を卒業して起業活動を行う留学生などが挙げられています
留学生が卒業後に「特定活動」で就職活動を続けたり、内定から入社までを「特定活動」で過ごしたりするケースは珍しくありません。技人国の方には、関係の深い変更です(第2章のパターンBで具体例を示します)。
4 「就労5年」に入る在留資格・入らない在留資格
就労5年は、「就労資格」または「居住資格」で、引き続き5年以上在留していることが必要です。 在留資格ごとに整理すると、次のとおりです。
| 在留資格 | 2027年3月31日までの申請 | 2027年4月1日以降の申請 |
|---|---|---|
| 技術・人文知識・国際業務、技能、経営・管理、高度専門職、介護、特定技能2号 など | ○ 数える | ○ 数える |
| 企業内転勤 | ○ 数える | × 数えない(新ガイドラインの「就労資格」の定義から除かれている) |
| 技能実習 | × 数えない | × 数えない |
| 育成就労 | ―(2027年4月1日から始まる制度) | × 数えない |
| 特定技能1号 | × 数えない | × 数えない |
| 特定活動 | 指定された活動の内容による | 本邦大学等卒業者(告示46号)などは数える。インターンシップ、ワーキングホリデー等は数えない |
| 日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者(居住資格) | ○ 数える | ○ 数える |
| 留学、家族滞在 | × 数えない(10年には入る) | × 数えない(10年には入る。特定活動の一部を除く) |
新しいガイドラインでは、「就労資格」を、家族の帯同が認められないなど一定の制約がある「技能実習」「育成就労」「特定技能1号」「企業内転勤」と一部の「特定活動」を除いた在留資格と定義しています。
2027年4月1日以降の申請では、この定義に沿って数えることになると読めます。企業内転勤で来日し、その後、技人国に変更した方は、申請の前に、企業内転勤の期間をどう扱うかを確認しておきましょう。
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5 就労5年は、いつから数える?
技人国の方の就労5年は、技人国の在留資格を得た日から数えます。 留学から技人国に変更した方であれば、「在留資格変更許可」を受けた日が起点です。新卒で4月に入社した方でも、変更許可が3月に出ていれば、3月の許可日から数える、というのが当事務所の整理です。
許可を受けた日は、在留カード(または在留カード等読取アプリで確認できる情報)や、出入国在留管理庁から受け取った書類で確認しましょう。



私は以前、技能実習生の監理団体で働いていました。
そのころは、実習生一人ひとりについて、「入国日」「在留資格の変更日」「在留期限」「一時帰国の出国日・帰国日」を一覧表にして管理していました。
永住を考えるなら、ご自身でも同じ「在留歴の年表」を作ってみてください。頭の中で数えるより、ずっと正確になります。作り方は第5章で紹介します。
第2章 経歴パターン別|10年・就労5年の数え方
ここからは、技人国の方に多い経歴を6つのパターンに分けて、具体的に数えてみます。 例に出てくる方は、すべて架空の人物です。日付は分かりやすくするための例です。
パターンA|日本語学校 → 大学 → 新卒で技人国(いちばん多い経歴)
ベトナム出身のグエンさんの経歴です。
| 期間 | 在留資格 | 10年に入る? | 就労5年に入る? |
|---|---|---|---|
| 2017年4月5日〜2019年3月 | 留学(日本語学校) | ○ | × |
| 2019年4月〜2023年3月 | 留学(大学) | ○ | × |
| 2023年3月20日〜 | 技人国(変更許可) | ○ | ○ |
- 10年を満たす日:2017年4月5日の入国から10年 → 2027年4月5日
- 就労5年を満たす日:2023年3月20日の変更許可から5年 → 2028年3月20日
グエンさんの場合、10年は2027年4月に満たしますが、就労5年が足りません。
年数の上では、2028年3月20日以降が申請の目安になります。 冒頭の「留学6年+技人国4年=10年だから申請できる?」という疑問の答えは、「10年は満たしていても、就労5年が1年足りない」ということになります。
なお、グエンさんが申請するのは2027年4月1日以降になるため、新しいガイドラインが全面的に適用されます(年金の見込み額や日本語能力B1相当なども考慮要素になります)。
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NG例
■ 「留学と技人国を合わせて10年だから申請できる」と考える(就労5年を別に数えていない)
■ 入社日(4月1日)を就労5年の起点にしている(起点は技人国の許可日)
パターンB|専門学校 → 特定活動(継続就職活動)→ 技人国
ネパール出身のタパさんは、専門学校を卒業した後、すぐに就職先が決まらず、「特定活動(継続就職活動)」で就職活動を続けました。
| 期間 | 在留資格 | 10年に入る?(2027年4月以降の申請) | 就労5年に入る? |
|---|---|---|---|
| 2017年10月〜2019年3月 | 留学(日本語学校) | ○ | × |
| 2019年4月〜2021年3月 | 留学(専門学校) | ○ | × |
| 2021年4月〜2021年12月(約9か月) | 特定活動(継続就職活動) | × 数えない | × |
| 2022年1月〜 | 技人国 | ○ | ○ |
- 就労5年を満たす日:2022年1月から5年 → 2027年1月
- 10年を満たす日:入国(2017年10月)から10年は2027年10月ですが、2027年4月1日以降の申請では、継続就職活動の約9か月を10年に数えません。その分を差し引くと、目安は2028年7月ごろになります。
タパさんにとって、ネックになるのは「就労5年」ではなく「10年」の方です。
ここで一つ、注意があります。新しいガイドラインは、継続就職活動の期間を「10年の期間に算定しない」としていますが、その前後の在留期間が「引き続き」としてつながるのか、それとも途切れたものとして扱われるのかは、公表資料からは確認できていません。
当事務所では、上の計算のように「その期間を差し引いて数える」形で見通しを立てつつ、個別の事情に応じて慎重に判断する、という整理にしています。同じような経歴の方は、申請前にご相談ください。
NG例
■ 継続就職活動や内定待ちの「特定活動」の期間も、そのまま10年に数えている(2027年4月1日以降の申請では数えない)
パターンC|技人国のまま転職した
中国出身の王さんは、技人国のまま、A社からB社へ転職しました。退職から入社まで、2か月の空白があります。
| 期間 | 在留資格・状況 | 10年・就労5年 |
|---|---|---|
| 2020年4月〜2023年9月 | 技人国(A社) | 数える |
| 2023年10月〜11月 | 技人国(無職・転職活動中) | 在留資格は続いている |
| 2023年12月〜 | 技人国(B社) | 数える |
ガイドラインは、「就労資格をもって引き続き5年以上在留」していることを求めています。文言上、同じ会社に勤め続けることまでは求められていません。そのため当事務所では、技人国の在留資格が途切れずに続いていれば、転職をしても就労5年のカウントがゼロに戻るわけではない、と整理しています。王さんの場合、2020年4月から5年後の2025年4月に、就労5年の年数を満たしたことになります。
ただし、転職のときには、次の3点に注意が必要です。
- 所属機関に関する届出(14日以内)
会社を辞めたとき、新しい会社に入ったときは、それぞれ14日以内に出入国在留管理庁へ届け出る義務があります(入管法第19条の16)。新しいガイドラインでは、こうした届出義務を守っているかが考慮要素として明記され、過去の義務違反も原則として消極的に評価されるとしています。 - 3か月以上の空白
就労資格で在留する方が、正当な理由なく3か月以上その活動を行わないでいる場合は、在留資格の取消しの対象になり得ます(入管法第22条の4第1項第6号)。空白期間が長引きそうなときは、早めに相談しましょう。 - 新しい仕事が、技人国の範囲に入っているか
転職先の仕事が技人国の活動に当たらない場合、そもそも在留資格に合わない活動をしていたことになり、年数の問題以前に大きな問題になります。
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パターンD|一時帰国した(みなし再入国・再入国許可)
フィリピン出身のサントスさんは、技人国で働きながら、年に1回、2〜3週間ほど里帰りしています。
日本を出国するときに、「みなし再入国許可」(出国の日から1年以内に戻る場合に、事前の再入国許可を不要とする制度)や「再入国許可」を受けていれば、出国中も在留資格は続きます。そのため、一時帰国をしても、10年・就労5年のカウントは途切れません。
出入国在留管理庁は、新型コロナウイルス感染症の影響で、再入国許可やみなし再入国許可の期限内に戻れず「一度在留が途切れた」方について、一定の条件のもとで在留が続いていたものとみなす特別な取扱いを公表していました。この取扱いからも、期限内に戻ることが「引き続き」の前提になっていることが分かります。
みなし再入国の落とし穴
みなし再入国許可の有効期間は「出国の日から1年」ですが、在留期限がそれより前に来る場合は、在留期限までになります。在留期限の直前に出国し、期限までに戻れなかった場合は、在留資格がなくなってしまいます。
また、カウントが途切れなくても、長く日本を離れていた期間がある場合は別の問題があります。新しいガイドラインでは、申請前の10年以内に、合理的な理由なく、1回の出国で半年以上、または通算で2年6か月以上日本を離れていた場合は、原則として消極的に評価するとしています(2027年4月1日以降の申請に適用)。
パターンE|在留が途切れた(カウントがリセットされるケース)
韓国出身の李さんの経歴です。
| 期間 | 在留資格・状況 |
|---|---|
| 2014年4月〜2018年3月 | 留学 |
| 2018年4月〜2021年3月 | 技人国 |
| 2021年3月 | 退職し、在留カードを返納して帰国(再入国の予定なし) |
| 2022年10月 | 新しい会社の在留資格認定証明書で、技人国として再来日 |
李さんは、2014年から通算すると、日本で7年近く暮らしています。しかし、2021年3月に在留資格がなくなっているため、原則として、10年・就労5年とも、2022年10月の再来日の日から数え直しになります。
- 10年を満たす日:2032年10月
- 就労5年を満たす日:2027年10月
次のような場合も、在留が途切れたものとして扱われます。
- 再入国許可・みなし再入国許可を受けずに出国した
- 再入国許可・みなし再入国許可の有効期限までに、日本に戻れなかった
パターンF|技能実習・特定技能1号を経て技人国に変わった
技能実習や特定技能1号の期間は、10年には数えられますが、就労5年には数えられません(ガイドラインで、就労資格から明示的に除かれています)。
キャリアの切り替えは、たとえば次のような流れになります。
- 技能実習1号 → 技能実習2号(→ 技能実習3号)→ 特定技能1号 → 特定技能2号
- 技能実習、特定技能1号から技人国に変更する場合は、学歴や実務経験など、技人国の要件をあらためて満たす必要があります
特定技能2号から永住を目指す方は、下の記事もご覧ください。


よくある疑問
- 大学院の研究生(留学)の期間も、10年に入りますか?
-
「留学」の在留資格で在留していた期間であれば、10年に数えます。就労5年には入りません。
- 育児休業で長く休んでいます。就労5年はどうなりますか?
-
育児休業中の扱いは、ガイドラインには書かれていません。公表資料からは確認できないため、休業の期間や会社との雇用関係が続いているかなど、個別の事情を確認したうえで判断が必要です。
- 高度専門職のポイントがあれば、10年を待たなくてもいいと聞きました。
-
ポイントが70点以上・80点以上の方には、3年・1年で永住を申請できる特例があります。詳細については当事務所にお問い合わせください。
- 日本人と結婚しました。10年を待つ必要はありますか?
-
日本人・永住者・特別永住者の配偶者には、年数の特例があります(2027年4月1日以降の申請では「婚姻5年・在留3年」に延びます)。配偶者ビザに変更するかどうかも含めて、下の記事をご覧ください。
WILL行政書士事務所
配偶者ビザから永住へ|2027年4月から婚姻5年・在留3年に | WILL行政書士事務所 「日本人と結婚して3年。そろそろ永住を申請できると聞いていたのに、ルールが変わるらしい……」 そんな不安を感じている方は多いのではないでしょうか。 2026年10月1日、出…
第3章 年数だけでは足りない|申請時点の「今の在留資格」をチェック
10年・就労5年を満たしていても、申請する時点で、今の技人国の在留資格が次の2つの条件を満たしていないと、審査で消極的に評価されます。
1 技人国の「上陸許可基準等」に適合しているか(2026年2月24日〜)
2026年2月24日の改訂で、国益要件に「今の在留資格について、法務省令で定める上陸許可基準等に適合していること」が加わりました。新しいガイドラインでも、申請時点で基準に適合していない場合は消極評価をする、と書かれています。
技人国の上陸許可基準には、主に次のような内容があります。
- 学歴・実務経験:仕事に関連する科目を大学等で学んだこと、または一定年数の実務経験があること
- 報酬:日本人が同じ仕事をする場合に受ける報酬と同等額以上であること
技人国の許可を受けた当初は基準を満たしていても、その後、仕事の内容や給料が変わっていることがあります。永住の申請は、「今の働き方が技人国としてふさわしいか」を、あらためて確認する機会でもあります。
2 「最長の在留期間」をもっているか|「3年」の扱いは2027年3月31日まで
技人国の在留期間は、「5年」「3年」「1年」「3月」のいずれかです。ガイドラインは、最長の在留期間(技人国なら5年)をもって在留していることを求めています。
ただし、在留期間「3年」の方は、次のように扱われます。
| 申請した日 | 在留期間「3年」の扱い |
|---|---|
| 2027年3月31日まで | 「最長の在留期間をもって在留している」ものとして扱う |
| 2027年4月1日以降 | 2027年3月31日の時点で「3年」をもっていて、2027年4月1日以降の初回の永住許可申請であり、かつ、その「3年」の在留期限までに結果(処分)が出る場合に限り、最長の在留期間をもって在留しているものとして扱う |
在留期間が「1年」の方は要注意です。
「1年」では、最長の在留期間の条件を満たしません。10年・就労5年を満たしていても、まずは在留期間の更新で「3年」「5年」の許可を受けられる状態を整えることが先になります。
在留期間がどのように決まるかは、勤め先の規模(カテゴリー)、勤続の状況、届出や納税の状況などが関わると言われていますが、その具体的な基準は公表されていません。
3 在留期間の確認方法
2026年6月14日以降に交付された新しい様式の在留カードには、在留期間が券面に書かれていません(満了日は記載されています)。在留期間は、ICチップに記録されているため、出入国在留管理庁の「在留カード等読取アプリケーション」で確認しましょう。
よくある疑問
- 永住の審査中に、今の在留期限が来てしまいます。
-
永住許可を申請していても、今の在留期間は自動的には延びません。在留期限が来る前に、別に在留期間更新許可申請が必要です。審査中の注意点は、下の記事で解説しています。
WILL行政書士事務所
永住申請の結果が来ない!審査期間が長引く理由と「不許可を避けるため」の申請中の絶対ルール | WILL行政… 「永住ビザの申請を出してから、もう8ヶ月も経つのに何の連絡もない……」 「ネットでは『半年で結果が出る』って書いてあったのに、これって不許可の前兆なのかな?」 「待…
第4章 2026〜2027年の制度変更|年数のほかに押さえておきたいこと
年数の数え方のほかにも、技人国の方の永住に関わる変更がいくつもあります。ここでは要点だけをまとめ、詳しい内容は個別の記事にご案内します。
1 収入・年金・日本語能力(2026年10月1日改定)
新しいガイドラインでは、次の点が考慮要素として明記されました。
- 世帯年収:世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準に、継続して達しているか(2026年4月1日以降の申請に適用。具体的な金額は公表されていません)
- 年金の見込み額:申請時点までの加入状況などから推計される将来の年金の見込み額が、一定の水準に達しているか(2027年4月1日以降の申請に適用。不足する場合は、補填できる金融資産で評価されることがあります)
- 日本語能力:「日本語教育の参照枠」のB1相当以上(2027年4月1日以降の申請に適用。高度人材外国人などは例外)
2 税金・社会保険料の納付
ガイドラインでは、納税、公的年金・公的医療保険の保険料の納付を適正に行っていることが求められています。申請時点で納付済みでも、本来の期限までに納めていなかった場合は、原則として消極的に評価されます。
また、2027年3月19日からは、在留期間の更新などの在留諸申請の提出資料に、課税・納税、社会保険の加入・納付状況、年収に関する書類が加わります(現時点では改正前の扱い。2027年3月19日から新しい扱い)。
3 永住許可の手数料(2026年10月1日〜)
2026年10月1日以降の申請から、永住許可の手数料は、許可されるときに200,000円(収入印紙)になりました(2026年9月30日までに受け付けた申請は、改定前の10,000円)。技人国の更新手数料も、許可される在留期間に応じて金額が変わる仕組みになっています。
4 永住者の在留資格の取消し(2027年4月1日〜)
令和6年の入管法改正により、2027年4月1日から、永住者が入管法上の義務を守らない場合や、故意に税金・社会保険料を払わない場合なども、永住者の在留資格の取消し事由に加わります(現時点では改正前の扱い。2027年4月1日から新しい扱い)。
その判断基準を示す「永住者の在留資格の取消しに関するガイドライン」は、2026年10月1日に策定されています。永住許可は「ゴール」ではなく、その後もルールを守って暮らすことが前提です。
5 「2027年4月より前に申請すべきか」の判断
申請の時期によって適用されるルールが変わるため、「2027年3月までに急いで申請すべきか」という相談も増えています。この判断は、年数、在留期間、収入、納付状況などを総合して考える必要があります。
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第5章 自分で数えてみよう|在留歴の年表の作り方
ここまでの内容をもとに、ご自身の年数を数えてみましょう。
ステップ1 手元の資料を集める
- 今の在留カードと、これまでの在留カード(あれば)
- パスポート(古いものも含む。出入国のスタンプを確認するため)
- 在留資格の変更・更新の許可を受けたときの書類
- 在留カード等読取アプリ(在留期間の確認用)



古いパスポートを紛失していて出入国の日付が分からない場合は、出入国在留管理庁に対して、ご自身の出入国記録の開示を請求する方法があります。
ステップ2 在留資格の履歴を年表にする
「いつから、いつまで、どの在留資格だったか」を、日付つきで書き出します。一時帰国した期間も、出国日と帰国日を書いておきましょう。
ステップ3 10年と就労5年を、別々に数える
- 10年:今の在留につながる入国の日から数える(2027年4月1日以降の申請では、継続就職活動などの特定活動の期間を除く)
- 就労5年:技人国などの就労資格(または居住資格)を得た日から数える(技能実習・特定技能1号、2027年4月1日以降の申請では企業内転勤なども除く)
ステップ4 今の在留資格をチェックする
- 在留期間は「5年」か(「3年」の方は、申請日と2027年3月31日との関係を確認)
- 今の仕事内容と給料は、技人国の基準に合っているか
ステップ5 迷う点があれば、申請前に相談する
特定活動の期間がある、企業内転勤の期間がある、在留が途切れたかもしれない、といった方は、自己判断で申請せず、申請前に専門家に相談しましょう。
まとめ
- 技人国から永住を目指すには、原則として「引き続き10年」と「そのうち就労資格で引き続き5年」の両方が必要です。
- 留学の期間は10年に入りますが、就労5年には入りません。就労5年は、技人国の許可日から数えます。
- 2027年4月1日以降の申請では、継続就職活動・就職内定者などの「特定活動」の期間は10年に数えず、企業内転勤は就労資格から除かれます。
- 技人国のまま転職しても、在留資格が続いていれば、就労5年がゼロに戻るわけではありません。ただし、届出義務と3か月の空白には注意が必要です。
- 再入国許可・みなし再入国許可で一時帰国しても、カウントは続きます。在留資格がなくなって新しく入国した場合は、原則として数え直しです。
- 申請時点で、技人国の上陸許可基準に適合していること、最長の在留期間(5年。「3年」は2027年3月31日までの申請などに限り特例あり)をもっていることも必要です。
- 年数を満たしても、許可されるとは限りません。収入、納付状況、届出など、暮らし全体が審査されます。
WILL行政書士事務所にご依頼いただくメリット
年数の計算は、ご自身でもできます。それでも相談する価値があるのは、永住の審査が、年数だけでなく、これまでの日本での暮らし全体を見て行われるからです。
サービスの詳細は、永住許可申請サービスのページをご覧ください。
- 在留歴を一緒に「年表」にします
パスポート、在留カード、許可の書類から、入国日・変更日・出国日を洗い出し、10年・就労5年を一緒に数えます。特定活動や企業内転勤の期間など、判断に迷う点も整理します。 - 申請のタイミングを一緒に見極めます
2027年4月の改定前に申請するか、改定後の要件を満たしてから申請するか。年数、在留期間、収入の状況を確認し、無理のない時期をご提案します。 - 今の「技人国」の働き方を確認します
雇用契約書と実際の仕事内容、給料を確認し、上陸許可基準への適合という観点から、申請前に気をつける点をお伝えします。 - 外国人社員の在留を管理してきた経験
代表の中田は、元技能実習生監理団体の職員です。外国人の方の在留期限や出入国を管理してきた経験から、見落としやすい点を先回りして確認します。自身も国際結婚を経験しており、手続きの不安を「自分のこと」として受け止めます。 - 申請取次行政書士が対応
代表の中田信行は申請取次行政書士です。申請から追加資料の要求への対応まで、ご本人の負担を減らします。 - 担当者が変わりません
最初の相談から申請完了まで、代表の中田が責任を持って対応します。 - 返金保証(全額返金制度)
万一不許可となった場合は、無料で再申請を承ります。再申請でも不許可となった場合は、報酬としてお預かりした全額を返金します(手数料・交通費等の実費は除きます)。
永住許可申請も対象です。
申請書の書き方は、下の記事で記入見本つきで解説しています。




いかがでしたでしょうか。この記事が一人でも多くの方のお役に立てれば幸いです。
WILL行政書士事務所では、配偶者ビザ、永住ビザの申請を始めとして、就労ビザ、帰化申請まで、日本で生活する外国人の方の手続きをサポートする業務を行っております。
当事務所の特徴として、「今」必要な申請に留まらず、その人その人の経歴、環境、人生観等を丁寧にヒアリングし、「将来」を見据えた最適な選択をご提案することを信条としております。
日本に長く在留したい方、将来的に永住を考えられている方などは、ぜひ一度ご相談ください。
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